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《 さいとう たま あやとりコレクション 》 について

斎藤たま氏は、1970年から全国各地を訪れて、子どもの伝承遊びや、出産・葬礼・年中行事などに関わる民俗風習についての聞き取り調査を続けてきました。 その記録は 随筆や絵本として発表されています。 山村・漁村・離島など、昔の生活スタイルが色濃く残る地域に暮す高齢者の話や唄の数々は、今では採録することができない 貴重なものも少なくありません。

『野にあそぶ』には、草花や虫との戯れ遊び、てまり、お手玉など一昔前の子どもの伝承遊びとわらべ唄が豊富に収録されています。 ただし、「あやとり」はありません。 「あやとり」は斎藤さんが大好きな遊びであったので、とくに熱を入れて収集されました。 それで、この書には収まりきらなかったのです。 その成果は、絵本 『あやとりいととり1〜3』(福音館書店)として、1982年に発表されました。

この絵本には、「あやとり遊び」の地方での名称(たすきどり、ちどり、...)や、おばあさんたちが子どもの頃 どのようにして遊んだかの思い出話も少しだけ紹介されています。 このわずかの記述からも、調査記録が価値のあるものであることがわかります。 斎藤さんご自身も その調査記録の全容を一冊の本にすることを望んでいましたが、残念ながら実現しませんでした。

ISFAでは、お蔵入りしていた貴重な調査記録を整理、公開することを斎藤さんに提案。 快諾を得て、2005年11月に 英語版(会報2004)が刊行されました (左)。 "String Figures of Japan" by Tama Saito には、274種の取り方の他、個々のパターンのさまざまな呼び方や遊び唄も数多く収録されています。 また、著者自身や、明治・大正生まれの人々から聞いたあやとりにまつわる思い出話も記述されています。

あやとりが日本固有の伝承遊びでないことが明らかになった今日、その起源を考えるには世界的視野で捉えることが必要となります。 この "String Figures of Japan" は、日本伝承あやとりの基礎資料となるものです。

(Ys 03/13/2006)

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