HOMEデータベース INDEX > 日本のあやとりの歴史
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  遊 戯 史 考 証
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  • 小寺 玉晃 [こでら ぎょくちょう](1831 天保二年 - 序)  『 尾張童謡集(原名:児戯)』 自筆本
      〜 復刻本:[細野要斎写本] 小寺玉晁, 朝岡露竹斎 [著] ; 上笙一郎, 久野保佑解説 『児戯 尾張三河童謡集』、未央社、 1977
  • 万亭 応賀 [まんてい おうが] 文、静斎 英一 [せいさい えいいち] 画 (1844 天保十五年) 『 幼稚遊昔雛形 (おさなあそびむかしひながた) 』 全3冊、吉田屋文三郎 版、 西尾市立図書館岩瀬文庫蔵 : 中之巻−「あやをとる」
      〜 江戸の童戯、童謡を紹介した子ども向け木版絵本。 「あやとり」の項は、下記の近世童謡童遊集 に収録されている。 岩瀬文庫については ウェブサイト《 西尾市岩瀬文庫 》、新刊書 『こんな本があった! 江戸珍奇本の世界』 (塩村 耕 著) をご覧下さい。 (Ys 04/11/2007 改訂)
  • 喜田川 守貞 (ca. 1853 嘉永六年) 『 守貞謾稿 』 自筆本 : 巻之十一
     
    〜 復刻本 [国会図書館蔵本]:(1992) 『 守貞謾稿 』 全3巻 朝倉治彦、柏川修一編、東京堂出版:(ニ)  p.95; (1997- ) 『 近世風俗志 』 全5巻 宇佐美英機 校訂、岩波文庫  :(ニ) pp. 150-151 あやとり遊びの名称 

    〔追記〕 国会図書館蔵本が
    国立国会図書館デジタルアーカイブ(デジタル化資料として公開されています。 : 巻11[9/37]  〜 「左の二女の所為を江戸にてあやとり、京坂にては糸取りと云ふ戯れなり。 図のごとく手くびに繞ひ、琴形・鼓形・目鑑形等、二女各互いに相譲りてこれをなすの戯れなり。 近世の小児稀にこれを弄すといへども流行せざるなり。 文化前等は専らこれを弄せるなり。 今の小児はすべて心成長の人に似たり。」 (Ys 2012/05/02)
  • 竹久 夢二 編 (1922 大正十一年) 『 日本童謡集 あやとりかけとり 』 春陽堂 (復刻本 :(1993) 『竹久夢二文学館』 第8巻 童謡童話讐T、日本図書センター)

     〜 夢二が旅先で聞き集めた童謡・子守唄・遊戯唄、約200編を収録。 あやとり唄は「ぺんぺん ことかいな」の一編のみ。 テキスト全文は 《
    J−TEXTS 日本文学電子図書館 》 のサイトにあります: 「日本童謡撰 あやとりかけとり」のページ。 
  • 酒井 欣 [さかい やすし] (1933) 『 日本遊戯史 』 建設社 (復刻版:『 童 戯』 第一書房、1983  :pp.882-883)

     〜 本邦最初の本格的な遊戯史研究書。 著者の考証は手堅く、西鶴の小説 『
    諸艶大鑑』 の「糸どり」を最古の記述とするのみで、起源についての推論はありません。 また、「平安朝時代には、田楽雑技の中に刀玉を綾にとりわける田楽法師があったが、それとこれとは全然同じからざる存在であって、...」と述べています (* 3)。 これは、お手玉のように、いろいろな物を空中で綾なすように投げ上げては受け取る技のことで、今日でも、太神楽で演じられているそうです。 江戸時代、この種の曲芸は「綾取」とも呼ばれていました。 上の一文では、それ[=平安期にあった曲芸の「綾取り」] とこれ[=糸遊びの「あやとり」] を混同しないように注意を喚起しています。 (Ys) トピックス 105  トピックス 107
  • 小高 吉三郎 (1943) 『 日本の遊戯 』 羽田書店 :pp.14-16

     〜 「あやとりは平安時代からあった」という怪しげな説の発信源(?)。 また、『近世風俗志』からの引用で、綾取りが元禄期に流行したことを記している。 それはよいが、続けて「それがために特別の綾取糸まで製られたとか」と、またしても証拠資料を示さずに述べている。 史実なら、たいへん興味深い話であるのだが、さて真偽のほどは...。 (Ys) 
    トピックス 107  

    〔追記〕 喜田川守貞 『近世風俗志(守貞謾稿)』には、「綾取りが元禄期に流行した」とは記述されていない ⇒ 『近世風俗志(守貞謾稿)』の項 参照。  (Ys 2012/05/02)
  • 長崎 抜天 (1971) 『 絵本明治風物詩 』 東京書房社

     〜 明治27年 東京芝新橋に生まれ、戦後はNHKラジオ「とんち教室」でお茶の間の人気者となった著者の思い出話。 自筆の挿絵が色を添える好著。

    「暮れも押しせまるにしたがって、日だまりがこどもの遊び場になり、女の子は"お手玉" "綾取り" "おはじき"に興じる。」(第四章「加藤清正象退治」)  (Ys 06/11/2006)
  • 尾原 昭夫 (1972) 『 日本のわらべうた<室内遊戯歌編>』 社会思想社:pp.78-81

     〜 「あやとりうた」の項に 「文福茶がま」に伴う遊び唄が2種、楽譜入りで紹介されている。 著者は「歌をうたってするものは、この「文福茶がま」のほかにはないようです」と述べているが、これは誤り。 
    《さいとうたま あやとりコレクション》には、「文福茶釜」の他にも、「糸引けブンブン」・「嫁ごやるから(もちつき)」・「ピンピンあやあや」の遊び唄(歌詞のみ)が記録されている。 (Ys 05/27/2006)
  • 半澤 敏郎 (1980) 『 童遊文化史 』(5巻) 東京書籍 :Vol.1,pp.274-279

     〜 近年における遊戯史研究の集大成。 「あやとり  <綾取り・文取り>」の項:名称考、遊びの場、遊具、遊びの概要、総括−史的考察。 広範な実態調査に基づく精細な説明と控え目の推論で この遊びの全容を伝える優れた解説となっている。 ただし、著者も言及している わが国でのあやとりの創始についての通説は再検討の必要がある → 
    トピックス 107。 なお、NHKテレビ番組「あやとりの世界」の放映日:「昭和四十六年」は「四十九年」の誤り。 (Ys)
  • 藤本 浩之輔 (1986) 『 聞き書き 明治の子ども 遊びと暮らし 』 本邦書籍

     〜 「商家の女の子のしつけ」の章、明治22年に生まれ、大阪市内で育ったH.M.さんの思い出話。 「そう、子どもの時分には「糸とり」(あやとり)をようやりましたな。男の子が多いもんやから、女子は女子らしゅうしなさいいわれて、あれをようしてましたナ。鼓こしらえたり、橋こしらえたりして、これ受けとりなさいいうたら、指入れて受けとって・・・・・・。」(p.8)

    「里子から養女へ」の章、明治18年岡山生まれ、6才から広島比婆郡の某家の養女となったS.M.さんの述懐。「あやとりはしましたよ。紐をこうやって、こうやって・・・。」(p.236)  (Ys 06/11/2006)
  • 柳田 国男、丸山 久子 (1997) 『 改訂 分類児童語彙』 国書刊行会 [東京堂刊の上巻(1949)の増補に 未刊の下巻を合わせて一巻とした国書刊行会本(1987)の改訂版]。

     〜 綾取りの呼称については「イトトリ」・「イトロビ」・「トリアゲ」・「タスキトリ」・「アゼトリ」の項を立て、それぞれに覚書程度の短い記述がある。 (Ys)
  • 尾原 昭夫 (1991) 『 近世童謡童遊集 』 日本わらべ歌全集 27 柳原書店(現 柳原出版)

     〜 江戸期の4冊の稀観書にある あやとりについての記述、挿絵をすべて収録:p.13 『絵本十寸鏡』; p.127 『絵本大和童』;p.248 『尾張童謡集』(上記); p.96 『幼稚遊昔雛形』(上記)

  • 丸山 久子 (1984 ?) 「綾取り(あやとり)」 『日本大百科全書(ニッポニカ)』 小学館

     〜 その内容に誤りが多い。
    ・「日本では古くは平安時代から行われていたようだが、江戸時代の元禄(げんろく)期(1688〜1704)には非常に流行して特別のアヤトリ糸が売り出され、子供や、婦人の間に流行したようすは、『守貞漫稿(もりさだまんこう)』にみえている」 - 上記の小高吉三郎説の受け売り。 『守貞漫稿=近世風俗志』には、特別のアヤトリ糸についての記述は無い。
    ・「ニュージーランドのマオリ人のマニ」も、松浦 政泰 『世界遊戯法大全』(1907、博文館−復刻版:本邦書籍、1984)の引用であるが、松浦本そのものが間違っている。 松浦の誤りは、その原典が "Maui" ではなく"Mani"と誤記されていたと推測される。 なお、現代のニュージーランド先住民マオリは、あやとりのことを "Te whai wawewawe a Maui"、略して "Whai" と呼ぶことが多い。 マオリ神話では、半神半人のヒーロー、マウイ(Maui)があやとりを創造したと語られているので、「あやとり」を意味するマオリ語の中に"Maui"が含まれている。 (Ys 2012/05/02)

    〔追記 2012/08/02〕 8月2日、この『日本大百科全書』書籍版を出典とする「Yahoo! 百科事典」の「綾取り」の項は削除され、改訂版(「あやとり」[項目名変更])が公開されました。
    Yahoo!百科事典

  • 多田 道太郎 (1974) 「綾とりはどこから来たか」(所収  『遊びと日本人 』 筑摩書房 : pp.176-185) (角川文庫版 遊びと日本人 』

     〜 本邦における「綾とり」の起源を探る好エッセイ。 “綾とりは日本固有の遊びではない”という視点から、世界のあやとり事情に目をくばり、その起源を推理。 しかし、当時の乏しい資料からの推論には限界があり、現在では受け入れられない見解もある。 (Ys) 
    トピックス 107

  • 大橋 歩 (1987) 『 わらべ遊び 』  集英社文庫 (単行本−主婦と生活社 1975−を再構成、エッセー7篇を増補)

     〜 昭和中期のこども遊びを 楽しいイラストと文で ていねいに紹介。 千代紙、折り紙、切り紙、草花遊び、わらべうた の他、 あぶりだし、王冠バッチ、ゆげ絵 のような 類書には見られない懐かしい遊びも収録。 この時代の子ども遊びの記録資料としても価値のある本です。 大橋歩さんのサイト 《 IOG 》では、内容の一部も紹介されています →[書籍+パンチ]。

    あやとり: ゴム3種、 やぐら、 ホーキ、 くまで、 やま、 一だんバシゴ・二だんバシゴ・三だんバシゴ、 二人あやとり (pp.181-203)。 「あやとり」の項には、幼稚園児の息子さんとのあやとり遊びのことが少し書いてあります。 大橋家でも、<毛糸編みの季節になると、子どもはあやとり遊びをはじめる> という光景が見られたようです。 →
    トピックス 115 。 (Ys 08/05/2006)

  • E.S.モース 『 日本 その日その日 』 全2巻 訳:石川欣一、東洋文庫、平凡社、1970   (原著:Morse, Edward Sylvester (1917) "Japan Day by Day", Boston )  トピックス 123
  • 守屋 毅 編著 (1988) 『 共同研究 モースと日本 』、小学館    :p.155

     〜 E.S.モースの論考 『日本の室内遊戯 』(*) に言及。 (*) Morse, Edward Sylvester (1884) "Indoor Games of the Japanese" Proceedings of the American Association for the Advancement of Science, vol.32(Aug. 1883): p.426-427。  (Ys 01/29/2005)
     トピックス 123

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Last updated 05/02/2012