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「 見 て ね ! 」

ニューカレドニア島

1914年 ニューカレドニア島の現地女性から収集。 一連の流れるような取り方で パターンをパッと見せてはすぐに消す、そのくり返しで見ている人の目をくらませる面白いあやとりです。 出来上がりの形よりも くり返しそのものを見せる トリックの一種と言えましょう。

では、このパターンそのものは何に見えるでしょうか? 伝承者は "Nen (Look!)"と言っただけで、それ以上の説明をしていません。 SFM(あやとりマガジン)の S編集長は、"Look!" という名称から「流し目」を連想しています。 また、“アクション映画好きの人には「マシンガン」に見えるかも” とも述べています。 見る人それぞれに見立てを楽しんで下さい。

取り方の詳しいイラスト説明は "String Figure Magazine" (Volume 6, number 1 (March 2001) にあります。 (cf. あやとりマガジン

初 出: Compton, R.H. (1919) "String figures from New Caledonia and the Loyalty Islands." Journal of the Royal Anthropological Institute 49:204-36.

Last updated 06/20/2005


ね ず み 」 ほ か

世 界 各 地

この指抜きトリックは、北・南アメリカ大陸先住民の他、アフリカ、極北圏、オセアニア、そしてアジアではインド、中国など、世界各地でもっともよく知られているあやとりです。 多くの地方では、特定の呼び名はなく、「指抜き・指切り」と呼ばれています。 一方、このトリックの <目の前にあるものがスルスルッと消える動き> から連想される呼び名をつけたり、面白いお話を語りながら楽しんでいる人たちもいます。 ハワイでは「ウナギ」 (Dickey); ソロモン諸島では「ムカデ」 (Maude)。 インド・アッサム地方では「一斉に飛び立つ鳥の群れ」。 ドイツの子どもたちは「汽車」(トンネルの中へ入っていく汽車) (Abraham 1987)。 

オーストラリア大陸とニューギニア島を隔てるトレス海峡諸島のマレ島では「ネズミ」。 出来上がりから、左親指の輪をはずす(上イラスト)。 この形を、すきまから聞き耳を立てているネズミと見立てます。 もう一人が「ネコ」となって、このネズミをつかまようとすると、作り手は「きぃーッ」と鳴きながら、垂れている輪の手のひら側の糸(A)を一気に引き抜きます。 ネズミは素早く逃げてしまいます (Haddon, A.C. 1912)。

このように、左親指の輪をはずした後、手のひら側の垂れている糸(A)を引けば、巻きついた糸はスルスルと解けます。 しかし、手の甲側の糸(B)を引くと 巻きついた糸はさらにきつく締まってしまうのです。 このことを知っていた人たちは、その面白さを取り入れたお話を語り伝えていました。

1900年代、アフリカ、ナイジェリアのヨルバの人々から採集されたお話:

ヤムイモ畑に泥棒が忍び込みます。 連中は、畑の所有者がたいへん用心深い人であることを知っていたので、あらかじめ引き抜いたヤムイモを束にして縛っておきます
<親指以外の4本の指が縛られたヤムイモの束>。 <左親指の輪をはずす>。 畑の持ち主<はずした輪>が現れます。 <手の甲側から垂れている糸(B)を引く。 指に巻きついている糸はきつく締まっている>。 持ち主は、ヤムイモがしっかりと根を張っていると安心して帰ります。 それを見た泥棒は、<手のひら側から垂れている糸(A)を引き抜く> ヤムイモの束とともにあっという間に消え去ります (Parkinson 1906, Abraham, A.J. 1987)。

インド東部のミゾラム地方ルシャイからは、モウリ(あらゆることを知っている半神半人的な伝説上の存在)が登場するお話が1943年に採集されています (Abraham 1999)。 また、南太平洋ローヤルティ諸島リフ島では、1910年代、おとぎ話の人気キャラクターである‘力持ちの愚か者と見かけはさえない知恵者’コンビのお話として語られていました (Compton)。

出典文献の詳細は こちら

取り方(動画・音声): 院内課外活動 教材ライブラリー

 
日本の伝承あやとり

「 指 切 り 」
《 さいとう たま あやとりコレクション 》
日本各地でもよく知られています。 さいとうさんは「80、90才になって、他のアヤトリは一つも知らないという人たちでも、不思議とこれだけはやってくれるのである」と述べています。 「指切り・指ぬき」だけでなく 「そろばん抜き」(京都)、「シュッシュッポッポ」(長崎)、「不動の金縛り」(東京)という呼び名も記録されています。 

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Last updated 01/01/2008