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 耳の大きな犬
 

カナダ中部極北圏コロネーション湾地方に暮らすコパー・イヌイット(the Copper Inuit)の伝承あやとりです。
1913−18年の「カナダ極北圏探検隊」に参加したビクトリア記念博物館(オタワ)の人類学者 D.ジェネス(Diamond Jenness、1886-1969)によって採集されました。 ジェネスは、主にアラスカとコロネーション湾地方で、衣服や狩猟用具から物語・歌・遊びまで幅広く、有形・無形の考古学・民族学・民俗学的資料を収集。 探検報告書の一冊(*)には、160種を超えるあやとりが それに伴う唄や物語を添えて収録されています。

(*) Jenness, D. (1924) "Eskimo String Figures." Report of the Canadian Arctic Expedition (1913-18), Vol. 13, part B. (192 pages) - 「極北圏のあやとり」プロジェクト」

The story of the Canadian Arctic Expedition 1913-18》 のサイトでは、当時の探検の様子が詳しく紹介されています。



    1:左親指手前の糸
    2:
左親指向こうの糸
    3:
左人差指手前の糸
    4:
左人差指向こうの糸
    5:
左小指手前の糸
    6:
左小指向こうの糸
    1+2:
左親指の輪
    3+4:
左人差指の輪
    5+6:
左小指の輪
    
左親指向こうから、
      右人差指手前に走る糸

1.親指をループに通し、親指手前の糸が15cmほどの長さになるようにして、親指と人差指の間から垂れ下がっている糸中指・薬指・小指で手のひらに押さえつける (01)。


2.
人差指を、親指手前の糸の上に乗せ、人差指指先に巻きつけて元の位置へ戻す (02)。


01 [photo by Will Wirt]
3.右親指で、下から、左親指手前から左人差指向こうへ走る糸をとる (03)。
02
4.左親指で、右親指の上の輪の2本の糸の間で、下から、右親指下・手前から右人差指向こうへ走る糸をとる (03 )。 中指・薬指・小指を広げ、押えていた糸をはなし (03 )、両手を左右へ引く。 押えていた糸は、親指下・向こうの糸となる (04)。
03
5.両方の小指を、下から親指下の輪に入れ、親指下・向こうの糸を取り、一旦、元の位置へ戻す。 続けて、左小指を、左人差指向こうの糸の上に乗せ (04 )、同時に、右小指を、右人差指の輪の下を通し、右親指上・向こうの糸の上に乗せ (04 )、両小指その糸(左人差指向こうから右親指上・向こうへ走る糸)を押えこむ (先に取っていた小指の糸(=親指下・向こうの糸)は、小指からすべり落ちる) (05)。
04
6.親指指先を下に曲げ、左右親指向こうの糸( 05を押さえ込みながら、その糸にはつながらないもう一つの親指の輪の手前の糸を指先からすべり落とす。 親指を元の位置へ戻す (06)。
05
7.親指で、下から人差指手前の糸を取る (07)。 
06
8.(反対側の手指を使って)親指下・手前の糸( 07を、今取った上・手前の糸を越えてはずす。 

9.人差指の輪をはずす (08)。


07
10.矢印(08)のように、左人差指を向こう側から、左小指の輪の右上に位置する逆三角スペースへ入れ、左人差指逆三角スペース上側の糸と、その左斜め上の糸を引っ掛けて取り、向こうへ引き上げながら、左人差指を向こう側(左親指指先側)から左親指の輪通し (09)、
08
11.続けて、左小指の輪に手前側(=左小指指先側)から入れ、左小指下側の糸(=一度交差してから右小指へ走る糸)を、左人差指指先で引っ掛けて取り、左人差指をはさんでいる各2本の糸の間を通して引き出す。 左人差指を元へ戻さずに、そのままその指先を左親指の輪の中へ向こう側(=左親指指先側)から入れた状態にしておく (10)。
09
12.右小指の輪をそっとはずす。 右小指右親指の輪の下を通し、手前側から、右小指指先が左人差指に接するようにして、左人差指の輪右小指へ移す。 右小指指先を右手のひらの上に閉じて移し取った輪を保持する (11)。
10
13.今、左小指の輪の上側を、左上から右下へ斜めに横切る2本の糸がある。 左人差指を、向こう側(左親指指先側)から左親指の輪を通し、手前・下側から、斜めに横切る2本の糸を取り( 11)、左人差指の背で引き上げながら (12)、 11
14.パターン中央へ走るもう一組の2本の糸 12)の上を越えて向こう側へ引き出して、左人差指指先を下に向け左方へすべらせ、左手の親指から小指へ走る糸に接するまで引く。 左手の親指から小指へ走る糸絡みついていた二つの輪は左人差指指先をはさんで上下にはっきりと別れる (13)。 
12
15.左人差指指先で、接している左手の親指から小指へ走る糸をそのまま手のひらに押さえつけて保持する。 左親指左小指それぞれの輪からそっと抜く。 続けて、左小指左人差指の輪に向こう側人差指指元側)から入れ、左人差指向こうの糸を手のひらに押さえつけて保持する。 左人差指指先を上へ回せば、「耳の大きな犬」が左方に現れる。
13
16.右親指と小指の輪ゆるく保持しながら、左手を左方へゆっくり引くと、犬は右の方へ進む (14)。

17.左手指で、犬を形作る糸を保持して、右親指と小指の輪をすべらせながら、左方へ引き寄せる。 犬は左方に戻り、再び犬を右方へ走らせることができる。

★すべての取り方を左右入れ替えて逆の手で行うと、左向きの犬が現れる。


14

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Last updated 07/30/2007