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020 五輪のマーク (01/13/2002)  (06/17/2004 画像差替え

数字・アルファベット文字・(簡単な)記号/マークを、あやとりで表現してみようというのも、「創作あやとり」の一つの分野です。 

今回は、ソルトレークシティ・オリンピック (2002.2.8.−2.24.) に因んで、五輪のマークを紹介しましょう (取り方は Bulletin of the ISFA Volume 7, 2000)。

五つの輪がとなり同士絡んで「五輪」を形成しています。 ただ、中央の輪は、上の枠糸に接しているだけです。 この輪と上の糸を絡ませることは、単純な一つのループ[=あやとりの輪] からでは、不可能です。 腰のある紐で作れば、左の写真のように広げることができます。

[クイズ]  この出来上がりパターンの輪を、五輪マークのように、青・黄・黒・緑・赤の色に染めて、パターンをほどくと、どのような色の配置になると思いますか。


〔追 記〕 (12/18/2005)

来年2月10日から、イタリア北西部のトリノ市で、冬季オリンピックが開催されます。 それに合わせて、各競技で代表の座を巡る厳しい戦いが続いています。 ソルトレーク大会に因んで取り上げたあやとり:「五輪旗、五輪のマーク」。 今回は、その取り方とクイズの回答を公開します → こちら。 

(TS)

 

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019 賀 正 (01/01/2002)

新年 おめでとうございます。
お正月にふさわしい縁起のいいあやとりのご紹介。

「山の日の出」は、アラスカのエスキモーからカナダ極北部のイヌイットまで広く知られています。 アラスカ内陸部の人たちは、「月」に見立てています。

チベットの「日の出」。 1997年に会員 Will Wirt さんが、ラサで収集しました。 太めの‘糸’で取れば、形よく仕上げることができます。 ⇒ 「日の出」

次は「鶴」と「亀」。 「二羽の鶴」は神谷和男さんの創作。 2羽の鶴が向かい合っているように、見えるでしょうか。 「折り鶴」は前川淳さんの創作。 折り紙ならぬ、あやとりの折鶴。 見事な出来栄えです。

パプアニューギニアの「カメ」、これはウミガメ。 また、オーストラリア・アボリジニ、イッルカラの人々が二人で作る「カメ」はリクガメだそうです。 同じ「カメ」でも、亀全体の形と亀甲文様、発想は、さまざまです。 ⇒ 「かめ」

本年もよろしく。

(TS & Ys)

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018 十二支のあやとり-1 (12/15/2001)

まもなく巳年が去り、午年を迎えます。 「へび」や「うま」にちなむあやとりを紹介しましょう。

「へび」に見える形は作りやすいので、各地にあります。 その中から、ネイティヴ・アメリカン・インディアン、ナバホの「シマヘビ」、同じくクラマスの「ガラガラヘビと少年」、ガーナのTwi語を話す人々の「木に登るヘビ」。 オーストラリアとニューギニアの間にあるトレス海峡諸島には「ウミヘビ」もあります。 「シマヘビ」や「ウミヘビ」は、どことなくユーモラスな仕上がりです。 「ガラガラヘビ」の方は、題名からして、あまり縁起がよくないですが、その上に、少年に飛びかかるというものです。⇒ 「へび」

一方、「うま」は伝承あやとりとしては「馬の目」しか知られていません。 あやとりの盛んであった極北圏、オセアニア、アフリカの人々には馴染みのない生き物であったからでしょう。 また、ネイティブ・アメリカン・インディアンは様々な動物のあやとりを伝えてきましたが、ウマやヒツジはありません。 クマやコヨーテが人々の信仰に関わる大切な存在であったのに対して、ウマやヒツジは外の世界の生き物に過ぎなかったからと思われます。 

最近になって、在米のISFA会員が創作の「ウマ」を発表しました。 皆様も新しい「馬」のあやとりを考えてみてください。 面白い作品は『String Figure Magazine』や協会報で紹介させていただきます。 ⇒ 「うま」

(TS & Ys)

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017 けん玉の「あやとり」 (11/30/2001)

けん玉に、「あやとり」という技があります。 『けん玉の技百選』(日本けん玉協会著、ポプラ社、2000.11.刊)の中に、あやとり系の技として、「あやとり」や「あやとり宇宙ロケット」が紹介されています。 これらは、けん玉の糸を指で持つことにより作られる輪の空間に、‘中皿’を通したり、‘けん先’で突き刺すものです。

ヨーヨーでは、1本の糸で作られたパターンに名称が付けられ、そこにあやとりとの共通性があります (トピックス 012)。 一方、けん玉の技「あやとり」では、その「糸」を手で操るという意味から名付けられたようです。

日本けん玉協会の公式サイトは こちら

(TS)

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016 「あやとり橋」 -2 (11/24/2001) (10/05/2002 改訂)

11月初旬、平家の落人伝説で名高い、熊本県八代郡 泉村 五家荘(ごかのしょう)へ、紅葉見物に行って来ました。 熊本県の奥深く、宮崎県との県境、その樅木地区に、吊り橋がありました。 なんと、それは、「あやとり橋」と名付けられていたのです。

足場が木製の吊り橋が谷あいに架かっており、紅葉ともマッチしています。 橋を支えるワイヤー・ロープが、あやとりのように見えるのが、名前のいわれでしょうか。 

山間の農村ですから、山菜が豊かで、そのほとりの茶店の、里芋の天ぷらや、よもぎ・わさび風味の饅頭は、おいしかったです。 紅葉等の絶好の行楽時期、五家荘地区内は一方通行になるのですが、そこまでの道路は交通規制がないので、離合がうまくいかないと、にっちもさっちも行かなくなって、難儀します。 あやうく大変な目にあいかけました。

(TS)

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015 古代ギリシアの「あやとり」(?) (11/17/2001)

「あやとり」は、どこまで歴史を遡れるのでしょうか。 今回は、最古の記述は古代ギリシアの医学書にある !? というお話。 

紀元100年頃、ギリシアの医師ヘラクレスは、止血や患部固定など、医療に役立つ結び方や縛り方についての書物を著しました。 彼は18種類の縛り方を挙げており、その中に、脱臼した顎を矯正するための “Plinthios Brokhos (菱結び)” があります。 18種類のほとんどは普通に紐を結んで縛りますが、この結びは、輪にした紐を両手の親指と小指に掛け、まさにあやとりを取るようにして作るのです。 出来上がれば、患者の顎を真中の菱形のところへ当て、4本の指の輪をつり包帯のように頭の上で括ります(イラストは String Figure Magazine vol. 6, no. 2)。

この結びと同じ形になるあやとりは世界各地にありますが、へラクレスの記述による作り方は他では知られていません。 当時のギリシアにあった「あやとり」が医療用に取り入れられたのでしょうか。

この「菱結び」の記述 (*) は、19世紀に出版されたフランス語訳の『オリバシウス全集』−Oribasius は紀元400年頃の宮廷医−からの孫引きであり、これ以上のことは判っていません。 現在、探索が続けられているヘラクレスの原著の発見が待たれます。 

(*) Miller, L.G. (1945) "Earliest (?) Description of a String Figure." American Anthropologist N.S. 47:461-62 (Greece)

(TS & Ys)

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014  ドラえもん  (11/10/2001)

『ドラえもん』は、主人公ののび太君の趣味があやとりということもあって、あやとりにまつわる表現やエピソードが、しばしば現れます。 以下は、『ドラえもん』(小学館、てんとう虫コミックス)で見かけたものです。

第8巻 p.144−「オトコンナを飲めば?」
「長い間、工夫を重ねて発明した新しいあやとり。 <おどるチョウ>と名付けよう」とのび太君は、得意になっています。 このあと、お父さんとぶつかって、せっかくの作品がつぶれてしまい、嘆くという展開になります。

さて、チョウチョウと名付けられたあやとりですが、「さかずき」から続ける文様のような「蝶」、繰り返しの取り方に特徴のある「長野の蝶」、丸まった口吻と羽を持つ「ナバホの蝶」、ゆったりとした大型の蝶を想わせる「ナウルの蝶」など様々なものが世界各地に伝わっています。 ⇒ 
「蝶」のあやとり

第15巻 P.172−「あやとり世界」
これは、あやとりが大流行という世界に行く話です。 のび太君は、“さかずき”・“ほうき”・“二段ばしこ”(ただし、絵は「ふた山」)など、よく知られた伝承あやとり、そして、<ほうき星>という創作にも言及しています。

また、「プロあや」タイトルマッチでは、両者がリングに上り、技と作品を競います。 “川”・“富士山”というよく知られたものの軽いジャブの応酬からはじめ、挑戦者アヤノ・トリローの<大森林>という必殺技に対して、あやとりの世界チャンピオン=グレート・フィンガーは、<銀河>という技で勝ちます。 いずれも、糸がからみ合って複雑な網目模様になるというものでしょう。

この<銀河>は想像世界の作品ですが、パプア・ニューギニアの伝承あやとりには“天の川”という傑作があります ⇒ 「天の川」。 一連の取り方を繰り返して、星の数を増やしたり、反転して減らしたりすることができます。 創作では、“アンドロメダ銀河” が目を引きます。 また、“ほうき星(流れ星)”も伝承・創作を合わせると10種以上あるでしょう。

第28巻 P.112−「家元かんばん」では、
のび太君は、「新作あやとりギャラクシー」を作っても、みんなにバカにされて、相手にしてもらえません。 それで、「家元かんばん」をドラえもんに出してもらって、権威づけして、あやとりの家元になります。 初心者は白ひも、初段以上が黒ひも、はたまた、免状を授けるなど・・・と、話が展開していきます。

第26巻 p.24−「『真実の旗印』はつねに正しい」
宿題をしてこなかったのは、「手をくじいてエンピツを握れなかった」からという、のび太君の言い訳に対して、「さきほど、女の子とあやとりをしていたではないか」と先生に切り返されています。

同 p.134−「歩け歩け月までも」
「この世に生まれたからには、だれもやってないようなことをして歴史に名を残したい。 たとえば、大仏さんの手で世界一のあやとりを作るとか…」と、のび太君が、しみじみ言っています。

ところで、長いロープを使って、指の代わりに複数の人間で巨大なあやとりを作るというパフォーマンスは、実際に演じられており(トピックス 001)、のび太君の発想もまんざら荒唐無稽というわけでもないようです。

(TS)

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013 ロープ・マジック  (10/27/2001)  

季刊誌 『String Figure Magazine』 は、日本のあやとりの本と同じように、取り方のイラストに従うだけで、いろいろなあやとりを作り上げることができます。 あやとりを楽しみながら英語に親しむ…、小学校の英語教材にも利用できるかもしれません.。

今年の春号には、「セントローレンス島の結び目トリック」 が紹介されています。 このような <トリック> も、一本の閉じたループの紐でなされる場合は、あやとりの一分野と見なされています。 このトリックは、いちどに複数の結び目を作り出すのですが、同じ趣向のトリックはロープ・マジックにもあります − 『マジック・手品 アイデア集』(北見マキ著、1998、有紀書房)。 ロープマジックは、1本の開いたロープを使いますが、この結び目トリックと、糸のからませ方・持っていき方が、共通しています。

(TS)

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012 ヨーヨーとあやとり  (10/21/2001) (12/28/2002 改訂)

ハイパー・ヨーヨー (古くはマジック・ヨーヨーとも呼ばれた) の様々な技を、ジャパンヨーヨーアソシエーション公式サイト (http://jyya.channel.or.jp/) で見ることができます。 JYYA オフィシャルトリックのページには 「東京タワー」や、「スターブランコ」や、「マジック」という技があります。

あやとりでも、「東京タワー」 や、星形のパターン や、世界各地で知られている「指抜きトリック」 (左図) があります。

あやとりは、閉じたループによるパターンづくり。 一方、ヨーヨーのパターンは、開かれた1本の糸によるものです。

(TS)

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011 『猫のゆりかご』  (10/14/2001)

あやとりを効果的に利用している小説としては、ずばり、カート・ヴォネガット・Jr の『猫のゆりかご』。 しかも、ハヤカワ文庫SF!に収められています−−− 伊藤典夫 訳、 早川書房。

作者は、二人あやとりを念頭においているようです。 指の間に、あやとり紐が X の形で行き交い、絡まっているが、猫もゆりかごもない!! ここでは、何もないものの象徴として使われています。 けれども、この小説の前言にもありますように、何もないことは、必ずしも否定的に意味合いではないのです。 この小説は、ボコノン教という、どこにもない宗教を描いているのですから。

小説では、断片的で一見何の関連もないようなエピソードを積み上げ、最後に終末が現れます。 一見、関連のない紐の絡まりでありながら、最終的に何かが現れるあやとり。 これは、あやとりに肩を持ちすぎた解釈のしすぎかもしれません。

(TS)

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Last updated  12/18/2005