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070 輪ゴムであやとり (07/26/2003)
メーリングリストでの紹介者は、この遊びを中国人の家族から教わったそうです。 私も子供の頃、同様な遊びをしていました。 教わったのか、考え出しのか、今となっては、さだかではありませんが、「三角形」や「十字架」を作りました。 ほかにどのようなパターンがあるのでしょうか。 ご存知の方は、お教えください。
追記:「スター・ゲイザー(Star Gazer)」というマジックがあります。 これは、2本の輪ゴムを使って、まず、五角星とその枠を作ります。 この星形にした輪ゴムが、本当に星形に変身するというものです。 後半はマジックですが、前半は上記と同じ趣向です。 (TS) |
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069 「子ども放送局」 - 2 (07/12/2003) 先日、トピックス(066)で取り上げた「子ども放送局」:「チャレンジ教室」 ひも、ビックリ大変身!〜あやとりで遊ぼう〜:は、6月28日に予定通り放送されました。 番組製作関係者から録画ビデオの提供がありましたので、ここで当日の様子をお伝えします。 主会場の国立オリンピック記念青少年総合センター内の「チャレンジ教室」には、あやとりの先生の武内元代さん (* 1) を迎え、生徒さん5名(女子3名(小5)、男子2名(小5、小3))、司会進行役1名が出席。 また、副会場の鹿児島県福山町(黒酢でも有名)中央公民館には16名の子どもたちが集まりました。 副会場の模様はインターネット回線の動画配信によるテレビ電話で本会場に伝えられますが、その画像はややぎこちないものでした。 ‘授業’はあやとりの輪の用意から始まり、各コーナーごとに、様々なあやとりが紹介されました。 (1)あやとり初級: 「ゴム」。 (2)あやとり中級: 「ほうき」 (* 2) 。 (3)あやとり上級: 「四段ばしご」。 はじめにビデオで取り方を説明します。 次に実際に取っていく場面では、真上からの撮影や、さし棒で取る糸を指し示すなどの工夫がされていました。 ここで取り上げたあやとりは、いずれもよく知られているものです。 それで、副会場の子どもたちも上手に作れましたが、主会場から遠隔地の子どもたちに教えるという試みそのものについてはまだ改良の余地があるようです。 (4)知ってる?あやとりコーナー: 「富士山」、「チョウチョウ(さかずきからの蝶)」、「朝顔」、「菊」、「トンボ」、「亀」、「カニ」、「漁師の網」、「カモメ」(053)。 (5)世界のあやとり: 阿部 昭 さん (* 3) が、「引き潮」(クック諸島など)、「テントの扉」、「たくさんの星」、「いなづま」(以上、アメリカ先住民)、「口」(アラスカ)、「バトカ峡谷」(アフリカ)、「2匹の魚」(カロリン諸島:原題は不明)、「のこぎり」(ギリシャなど 038)、「カヌー」(オーストラリア)を紹介されました。 「いなづま」は、最後の仕上げの一瞬の展開の仕方で、きれいなパターンになったり、そうでなくなったりするところが子供たちには非常に面白かったようです。 「バトカ峡谷」は、初めの取り方が、ちょっとユニークなものです。 この二つのコーナーでは、子どもたちも知らないあやとりが多く熱心に見入っていました。 (6)あやとりマジックにちょうせん: 「指ぬき」。 (7)友達といっしょにあやとりをしよう: 「二人あやとり」。 (8)武内先生のあやとりショー: 「9つのダイヤモンド」、「れんぞくあやとり」(日本のかまえ−かんむり−さかずき−屋根−富士山−お月さまと雲−日本のかまえ、と元にもどります)、「ひこうき」。 子どもたちは、1時間半のあやとり教室を楽しく過ごしたようです。 今回紹介されたあやとりはすべて、出来上がりが対称形のパターンでした。 世界のあやとりには非対称形の傑作が数多くあります。 また、「はしご」でも、少しのアレンジだけで、それまでには見たことない形が現れるかもしれません。 次の機会には、このような試みも教えていただきたいものです。 あやとりの世界はまだまだ奥が深いのです。 親御さんから子どもたちへのアドバイス : あやとりをする時は、両手がふさがります。 これは、無防備な状態ですから、ボールの飛んでくるような場所は避けて、ゆったりとした気持ちになれる安全な環境でやりましょう。 あやとりを始めると夢中になってしまうこともありますから、歩きながらやるのは危険です。 また、覚えはじめの頃は、初めから両手で一気に糸を取ることは難しいかもしれません。 片手ずつ、もう片方の手は補助にするぐらいの感じでゆっくりと覚えていきましょう。 (* 1) 武内元代: 『あやとり全書―ひとりあやとり ふたりあやとり ひもあそび (* 2) 私が子供の頃に教わったのとは、別の取り方でした:最後のところで、手のひらの糸を引っ張ると、ほうきの柄となる、←→手の甲の糸を取り上げて、柄にする。 (* 3) 野口 広著 『あやとり』 三部作の名編集者。 −−−−−−−−−−−−−−−−− 〔追記 07/18/2005〕 この放送のダイジェスト版が
オンライン公開されています。 (TS) |
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068 「第44回 国際数学オリンピック」 (07/03/2003) 数学オリンピック財団が主催する、「国際数学オリンピック2003 日本大会」が7月7日から19日まで、国立オリンピック記念青少年総合センター(代々木)で開催されます (* 1)。 この大会では、世界約86ヶ国の高校生以下の選手が数学の問題解決力を競います。 第1回は1959年にルーマニアで開催。 以後、回を重ねるにつれ参加国・選手も増え、今日では名実ともに、世界中の数学好きな少年少女の祭典として定着しました (* 2)。 財団の理事長、野口廣氏は、ISFA の前身、「日本あやとり協会」の設立・運営に中心的役割を果たされた方です。 この ISFA日本語サイトからも、今回の大会の成功をお祈りしてエールを送ります。 −−− −−− −−− 「日本あやとり協会」設立の経緯については、既にこのトピックスで触れました
→ トピックス 047、052。 氏は定期的な研究会や、機関誌の編集発行だけでなく、デパートでの‘あやとり展’の開催や、テレビ朝日系の人気番組『徹子の部屋』に出演するなど広報活動にも率先して活躍されました。 風聞によれば、教室ではたいへん厳しい先生であったとか。 髭をたくわえた偉丈夫の氏があやとりを取っている姿を、教え子の皆さんはどのような思いで眺めていたのでしょうか...。 1984年には、キャンベラのモウド夫妻(トピックス
067)を訪問。 その帰途、パプア・ニューギニア高地地方で20種を超えるあやとりを収集されています
(* 3)。
(* 1) 数学オリンピック財団 (* 2) 野口廣 (2003) "第44回 国際数学オリンピック 日本で開催"、『数学セミナー』 vol.42 no.7、日本評論社 (* 3) Shishido, Y. & H. Noguchi (1987) "Some string figures of highland people in Papua New Guinea."Bulletin of SFA 14:38-69 [初 出:野口 広 (1984) "パプア・ニューギニア高地民族のあやとり"、「あやとり No.11」 日本あやとり協会:pp.30-58] (* 4) H. Noguchi (1997) "The Letter F." Bulletin of the ISFA 4:234-235 [初 出:野口 広 (1979) "アルファベットをつくろう"、「あやとりニュース No..2」 日本あやとり協会:pp.3-4]. (TS & Ys) |
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067 「ナウルあやとり」の本
(06/28/2003) この改訂本の表紙には、Dabwido一族の子どもたちが手に手にあやとりをもっている写真がデザインされています。 ナウルあやとりは、滅びることなく見事に復活を遂げたようです。 この子どもたちの「あやとりショー」は、2000年10月にニューカレドニアで開催された、「第8回
太平洋芸術祭」でも演じられました。 そのうち、私たちにも見る機会が訪れるかもしれません。 ハッドン父娘のあやとりにまつわる話は: (* 6) Maude, H.C. (1971) "The string figures of Nauru Island." Libraries Board of South Australia Occasional Papers in Asian & Pacific Studies 2. (* 7) Maude, H.C., with
members of the ISFA (2001) "The String Figures of
Nauru Island." 2nd Edition, revised and expanded.
University of the South Pacific Centre at Nauru, and
Institute of Pacific Studies, Suva, Fiji. (200 pages)。 この本は
フィジーにある 南太平洋大学出版局 から購入できます。
[注意] 1.
ナウルの本を注文する場合は「second
print」(第2刷)と明記して下さい。 第1刷は乱丁本です。 (Ys) |
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066 「子ども放送局」 (06/21/2003) 「子ども放送局」は、平成14年からの学校完全週5日制の実施を前に、平成11年に開設された放送局です。 メインのスタジオ・事務局は、《独立行政法人 国立オリンピック記念青少年総合センター》 内にあります。 毎週土曜日10:30−12:00 に、文部科学省の教育情報衛星通信ネットワーク「エル・ネット」で、全国の図書館や公民館などの受信会場で見ることができます。 再放送は毎週水曜日15:00−16:30。 「チャレンジ教室」「夢スタジオ1030」「なんでもやってみよう」など、独自の情報・体験番組を放映しています。 子ども放送局ホームページ (* 1) で、最寄の受信会場や番組内容が確認できます。 次週 6月28日(土)10:30−12:00 の放送予定は:「チャレンジ教室」 ひも、ビックリ大変身!〜あやとりで遊ぼう〜 : となっています。 スタジオにあやとりの先生をお呼びして、スタジオ現場・テレビ電話でつながった別の会場・放送を見ている受信会場、それぞれの場所にいる子ども達と一緒にあやとりを作っていくという面白そうな企画です。 「あやとりゴム」・「ほうき」・「四段ばしご」・「ゆびぬき」・「2人あやとり」にチャレンジする他、世界のあやとりも紹介されるようです。 あやとりは、手取り足取りで直に伝えていたものですが、テレビやテレビ電話を通じて遠隔地の子ども達に伝える今回の試みは、どのような感じになるのでしょうか。 番組をご覧になった方は、感想をお聞かせ下さい。 (* 1) 国立青少年センター 「子ども放送局」 (TS) |
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065 世界で一番簡単なあやとり (06/14/2003) 世界で一番簡単なあやとりは、どのような形でしょうか。 創作には、両手の間のループを少しだけ垂らし気味にしただけの 「スマイル / チェシャ猫」( ISFA 会員 Brian Cox さんの作品)があります (* 1)。 これは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』にある、猫の姿が消えて笑いだけが残っているという有名なシーンです。 これを見れば、ループをピンと張って「物差し」というアイデアも出てくるでしょう。 その形はすでに、私たちの伝承あやとりにあります:「さかずき / 箱枕」から親指をはずして、両手を左右に引き、「電球」・「豆電球」、引ききって「物差し」。 さて、カナダ西海岸沖のバンクーバー島に住むクワキウトル (* 2) のあやとりに 「ハマトビムシ Sand Flea」 があります。 一般に、あやとりは、出来上がりを見ただけでは、その作り方は想像もつかないのですが、これは違います。 ループにひねりを加え、一方の糸が他方の糸をまたぐようにしてから、持ち替えるだけです。 しかも、糸をゆるめたり張ったりすると、ハマトビムシがぴょんぴょんと跳ぶ動きになるのです。 簡単でありながら、動きもあり、なかなかユーモラスな仕上がりです。 (* 1) 「スマイル / チェシャ猫」 は、 ISFA 会員 Eric Lee さんのサ イトで紹介されています :WWW Collection of Favorite String Figures → 「The Main Collection」 → 「World's Easiest String Figure」 をクリック。 Brian Cox さんのサイトへは、海外の「あやとり」サイト から入れます。 (* 2) このカナダ先住民に対する呼称 " Kwakiutl (クワキウトル) " は、19世紀末に人類学者が作った学術用語です。 今日では、先住民自身の認める正式名称、" kwakwaka'wakw (クワクワカワク) "が使われるようになってきました。 (TS) |
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064 切手に描かれたあやとり - (3)
フレンチポリネシア (06/07/2003) タヒチ島のあるソサエティ諸島のほか、マルケサス、トゥアモトゥ、オーストラル(ツブアイ)などの諸島群が‘フランス領ポリネシア’です。 "天国に一番近い島"ニューカレドニアもフランスの海外県ですが、こちらはメラネシアにあります。 このあやとり遊びの切手は、1992年に「子供の遊び 3種」として発行されました(⇒ あやとりの切手)。 あとの2枚には‘竹馬’と‘凧上げ’がデザインされています。 1929-1934年のトゥアモトゥ諸島での調査によれば(* 1)、あやとりは “ fai ” と呼ばれ、単調な日々の生活の中での楽しみとして伝承されていました。 パンダナスの葉片から作った紐を用いることが多く、その偏平な紐からはあまり複雑な模様は生み出せなかったようです。 その中にあって、トゥアモトゥ固有の古来から伝承されてきた3種のシリーズあやとりは貴重な記録といえましょう : 「TURI」(7パターン)・「MAUI」(9パターン)・「HIRO」(8パターン)。 いずれも祖先(半神半人?)の神話や伝説を描いたあやとりで、どのシリーズにも "Marae マラエ=古代ポリネシアの石造りの祭祀場" のパターンのあることが興味を引きます。 あやとりに伴う唄も記録されていますが、英訳されているのがごく一部だけであることが惜しまれます。 この切手に描かれた二人の女の子が広げているパターンは、二人が同じ長さの輪を手に掛け、それぞれ‘Aの構え’を作り、向き合って二人の輪を絡ませて広げるという珍しい取り方をします。 トゥアモトゥのアナア島では「首長の井戸(あるいは 水浴び場)」と呼ばれていました。 真中の大きな四角形が首長用、周囲の四つの小さな三角形が庶民用だそうです。 マルケサスでは「マンタ (the great ray fish)」(* 2)、オーストラルでは「タロイモ畑」(* 3)の名称があります。 このあやとりは、ポリネシアだけでなく、ミクロネシア、メラネシア、パプア・ニューギニア、オーストラリア、ニュージーランドまで広く分布しています。 ハワイやギルバート諸島(現 キリバス)、ヤップ島(現 ミクロネシア連邦)では、このパターンを立体化して‘家’の形に仕上げます。 私たちの伝承あやとりのレパートリーにはないのですが、島根大学考古学研究室のサイト(* 4)で、このあやとりが紹介されています。 "なぜ?"とお思いの方は、このサイトの「おまけ」のページをご覧下さい。 筆者はこのパターンの新しい名称を見て、思わず笑ってしまいました。 このまま伝承あやとりとして定着すれば面白いですね。 (* 1) Emory, K.P. & H.C. Maude (1979) String figures of the Tuamotus. Canberra:Homa Press. (* 2) Handy, W.C. (1925) "String figures from the Marquesas and Society Islands." Bishop Museum, Bulletin 18. (*Reprint edition 1971, Germantown, New York: Periodicals Service Co.). (* 3) Stokes, J. F. G., and Sherman, M. A. (1994) "String Figures from the Austral Islands." Bulletin of the ISFA 1:69-150. (* 4) 島根大学考古学研究室 : 「目次」→「西谷3号墓」→「おまけ」をクリック。 「西谷3号墓」のページにある、復元模型の写真や復元図も合わせてご覧になれば、このあやとりにふさわしい名称であることがわかります。 (Ys) |
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063 B-52's の CDジャケット (05/31/2003) アメリカのニューウェイヴ・テクノポップ系バンド B-52's が、1992年に発表したアルバム "Good Stuff"。 メンバーが3人(Fred Schneider, Kate Pierson, Keith Strickland) になっての最初の作品です。 このアルバムジャケット、Keith がピラミッドを、Kate がリングを持ち、真中で Fred が、あやとりの「日本のかまえ」をしている構図になっています。 それぞれ、単純な形でありながら、ピラミッド・リング・あやとりが神秘的なイメージを放っています。 当方は、B-52's のことをあまり知りません。 このジャケット写真が、何を表現しているのか、B-52's のファンの皆様に、ご教示をよろしくお願いします。 ジャケット写真画像は こちら (K.K.) |
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062 『日経サイエンス』 の 名物コラム
(05/24/2003) 『 日経サイエンス 』の名物コラム、「数学レクリエーション」(イアン・スチュアート:英国ウォーリック大学数学研究所)については、あやとりトピックスでも触れたことがあります(トピックス001、トピックス041)。 今回、「あやとりデータベース - 文献リスト」に、その記事の概略を載せました。 なお、このコラムは、同誌の 2001年6月号 で最終回を迎え、現在は、ニューヨーク大学クーラント研究所のデニス・シャシャ教授による「パズリング・アドベンチャー」に衣替えしています。 (TS) |
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061 『 英辞郎 』 と 「あやとり」英語
(05/03/2003) 『英辞郎』は、世界最大級の英和・和英の電子辞書。 80年代半ばから、翻訳家・プログラマーである道端秀樹氏が仲間(EDP)とともに編纂作業を続け、最新版の
ver.62 (2003/3/10)には、112万語が収録されています
(* 1)。 (TS) |
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Last updated 07/18/2005