Last updated: 2021/04/28

あやとりトピックス 211-220

ODA紹介動画 2021/04/28

政府開発援助 (ODA) に対する理解促進を図るための広報動画の作成のため、そのモチーフとしてあやとりを取り上げたいとの依頼が昨年末にございました。

あやとりは日本だけでなく世界の様々な地域で行われており、あやとりをモチーフとすることで「日本と世界とのつながり・結びつき」というイメージを視覚的に伝えることができるなど、ODA の海外での社会貢献のモチーフとして活動趣旨に合ったあやとり作品の選定が行われました。

先方とのやり取りや作品候補の提供・選定には当協会会員の杉林武典氏が関わり、撮影当日は当協会会員の服部知明氏の指導のもと、紐の色や太さ、影の映り具合など細部に拘って念入りに撮影が行われました。また日本人と海外の方がモデルとなることで、日本と海外との関係性が演出されています。

あやとりが世界に存在することと日本の海外貢献がマッチしていて満足する出来上がりになっています。動画の視聴は外務省ホームページの「ODA紹介動画」のリンクからご覧になれます。⇒ こちら

加藤直樹@ISFA

BISFA Vol.27「あやとり記号表記法および展開図法」の寄稿 2021/03/31

国際あやとり協会が毎年発行している協会年会誌「Bulletin of the International String Figure Association: BISFA」の Volume 27 (2020) の電子版が今年3月下旬に公開されました。その Research Reports の章にて、あやとり愛好家の石田保士 (いしだやすし: 1898-1975) 氏が遺したあやとり研究資料についての調査内容を寄稿しました。

主な内容は、奇抜で面白い図法である「あやとり展開図法」や、未公開だった「あやとり記号表記法」についてです。 展開図法は、あやとり作品の紐を輪っかに広げ、作品時に交点で交わっていた所同士を直線で結ぶことで幾何学的な形となる方法です。 この図法は国際あやとり協会としては新たな情報でしたが、1938年発行の科学雑誌に投稿されていたことが今回の調査で判明しました。 見た目が美しくもあり、更なる理論的な解析への可能性を思わせる興味深い発想です。

また記号表記法は、紐の取り方を記号で表すことで、それまで文章で説明されていた取り方よりも簡易・簡潔に示せるとのことで考案された方法です。 ほぼ同時期に同様の記号表記法を考案していたのは、他に Erich von Hornbostel ぐらいであり(その方法も公開されたのは BISFA Volume 4 (1997) が初)、石田氏の発案がいかに画期的であったかが窺えます。

他にも石田氏は、ケンブリッジ大学で人類学の講師をされていたハッドン教授 (Dr. Alfred C. Haddon) や、ハッドン教授の次女 (Kathleen Haddon) など著名なあやとり研究者と文通し、海外の多くのあやとり文献を収集し研究していました。

戦前にこのようなあやとりの研究をしていた日本人がいて、その内容もさることながら当時の記録が残っていたことが今回の大きな発見であり、情報提供にご協力下さった Mark Sherman 氏及び石田氏のご令孫には厚く御礼申し上げます。

石田氏の研究内容の詳細は、電子版が協会会員専用ページで見ることができ、そこでは日本語版へのリンクもございます。また冊子の形での協会誌(英語のみ)は非会員の方でも入手できます。⇒ こちら

加藤直樹@ISFA