Last updated: 2020/12/19

あやとりトピックス 161-170

被災地への支援活動 2011/04/15

ユニークな「あやとりひも」を製造・販売している森製紐株式会社様より、被災地の皆さんへあやとりひもを差し上げたいとの申し出がありました。そして、仙台の「まつお文庫」へお送りすることになりました。

会員の皆さんも、それぞれに支援の活動をされていることと思います。「まつお文庫」では、子供たちへの文房具・絵本などの寄贈を呼びかけておられますので、ご協力をお願いいたします。

〔追記 2011/05/01

「まつお文庫」での支援物資の取り扱いは4月30日で終了しました。ご支援いただいた皆さま、ありがとうございました。まつお文庫スタッフの活動については、「まつお文庫」のブログをご覧下さい。

Ys

NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」でのあやとり 2011/04/11

NHK朝の連続テレビ小説の新しいシリーズが始まりました。

家庭や都会の喧騒をのがれた主婦 (斉藤由貴) が、とある瀟洒なそばレストランを偶然訪れることになります。そしてそばを振舞われ、その女主人にどうしてこのように素敵な店を出すことになったのかを聞きます。問われるにまかせ、さまざまな人生経験を経てこのレストランの経営者となった陽子 (若尾文子) が自分史を語り出します: 昭和7年9月、母の病気療養のため、家族そろって安曇野に引っ越して来ます。家財道具を一台のリヤカーに積み父と二人の兄が引っ張っています。そのリヤカーの後ろの方に母 (原田知世) と娘 (子供の頃の陽子、八木優希) が座って、昔ながらの二人あやとりをしています。

どんなに狭い場所でもすることができ、親しい人とのコミニュケーションにもなるあやとりで、懐かしく楽しい思い出の一コマをあらわしています。そして、さまざまに変化していくあやとりで、これから待ち受けるさまざまな体験のことも暗示しているのでしょうか。

TS

3.11 東北関東大地震・大津波の被害を受けられた皆さまの 一日でも早い復興を心からお祈りしています。

ISFA国際あやとり協会

「あやとり・まりこ」その2 2011/03/31





年長さんは、3月になると、保育時間も短い上に、卒業に向けて色々な活動が入ってきます。「お集まり!」と声がかかるまでの30分程の短い時間はみんな、夢中になって取り組んでいることにまっしぐらです。

いつもの相棒に「ドッジボールしよう!」と誘われても「あと少しでさぁ、あやとり出来るから今日はやんなぁ~い!」 友だちの「あやとりカード」をのぞき込んで、「富士山、簡単だから、教えてやるよ!元の形、作って!・・・富士山は日本一高いだろっ!だから最後は一番高いお兄さん指でとって仕上げる!」 うふっふ、そうなんです。覚えるための、「あやとり・まりこ」ポイントことばをちゃんと真似っこして伝えてくれています。年長さんの教え合う姿や意気込みに「あやとり・まりこ」もパワーアップ!

「復習するから見ててね!」 「ちょうちょ、どうやるの?」 「昨日ね、お母さんに指ぬきを教えてもらったから・・・やってみるね」 「6段はしご、ちゃんとやってるのに・・・形が変なんだ!」 「ねぇねぇ・・・二人あやとりやろうよ!」と「あやとりカード」を手にした子どもたちにあっという間に囲まれ、耳が、目が、口が、指が、いくつあっても間に合わないような状況になりますが、二人あやとりを取り合いながら、6段ばしごに挑戦している子に、「そこの指の回し方がポイントだからね。同じ方向に回すんだよ」と声をかけ二人あやとりの違う取り方もあることを教えてあげるなど声かけ!目配り!気配り!ますますパワー全開の「あやとり・まりこ」に変身していきます。

勿論、年長さんも今までの幼稚園生活で培ってきたやる気や思いやりいっぱい携えてあやとり先生に変身です。

「ちょうちょ出来る、出来る!教えてあげるよ。こっちに来て!最後がちょっと、難しいんだよな~」 「ねっ!最後の指の動かし方がねっ!」とできる者同士、相づちを打ちあいながら、あやとり先生は、おでことおでこがすり合うほどにのぞき込んで、ひもをたぐってあげています。何回も、何日も四苦八苦しながらこつを覚え、やっとできるようになったので実に教え方が上手なのです。そして「よかったね。」と褒めることも忘れません。

ちなみにこの「ちょうちょ」は『あやとりいととり 1』(福音館書店) の表紙になっている「ちょうちょ」です。返し取りをし、仕上がり前の手首からひもをはずし、人差し指を向こう側に回す。この指の動きは幼児にとっては大変難しいのです。「あやとりカード」の13番目になっているこの「ちょうちょ」が出来るようになるとため息を交えて喜び、達成感に浸っています。

年長担当の男性保育者にこんな話を聞きました。あやとりで「やさしいゴム」をつくり、ちょっと怪しげに覗き込み、「怪しいゴム、怪しいゴム」とおちゃらけながら、伸ばしたり、縮めたりしたのが大受けになり、みんなで「やさしいゴム」を作って、「怪しいゴム」ごっこで盛り上がったそうです。

遊びながら楽しめるなんて、なんて素敵なことでしょう。きっと、大人になっても忘れませんね。

そして・・・
卒業の日までの5日間を残して大地震、大津波、計画停電実施で休園になってしまいました。休園日に家で挑戦してできるようになったあやとりを先生に見せにくる子もいたようです。年長さんの中には最後の追い込みで頑張ろうとしていた子もいたことでしょう。「あやとり・まりこ」も残念な気持ちもありましたが、それまでの事を振り返ってみると、充分、あやとりを楽しんでいた年長さんたちです。一人でするあやとりも、二人でするあやとりも、連続あやとりも、動くあやとりも、手品のようなあやとりも、外国のあやとりも、色々なあやとりがあることを知ったことと思います。

26日の卒業式での「幼稚園の思い出のことば」の発表では、こんなことばが聞かれたそうです。
Rちゃん:「H子ちゃんとS子ちゃんに教えてもらって、「やさしいゴム」ができるようになって嬉しかったです」
Aくん:「あやとりが大好きです。一番好きな技は、「あみ」と「ほうき」です。もっともっといろんな技ができるようになりたいです」

「あやとり・まりこ」から卒業するみなさんへ・・・
あやとりも頑張りましたね。できたのが2つ3つでもいいんだよ。小さいときに覚えたあやとりは忘れません。指が覚えているからあやとりのひもを持つと、自然と指が動き始めますよ。 いくつになっても、どこの国でも、あやとりのひもは友だちを作ってくれます。あやとりひもを手首にまいて、出掛けよう!みんな、おめでとう!

どこかで会った時に「あやとり・まり子さぁ~ん!」って声をかけてくれるかしら・・・

あやとり、ばんざぁ~い。(つづく)

青木萬里子@ISFA 2011/03/29

「あやとり・まりこ」その1 2011/02/21

私の名前は、「あやとり・まりこ」です。よろしく!

あやとりは日本だけではなく世界中にあります。「ぱんぱんほうき」はカナダでは「テント」といい、アフリカのタンザニアでは逆さまにして「ココヤシの木」というんですって。「2段ばしご」はアフリカのエチオピアでは「魚を捕る網 (あみ)」になって、同じ形でも国によって呼び方がちがう・・・面白いですね。外国に行った時にあやとりをしてると、自然と人が集まってきて、ことばが通じなくても、心が通い合う・・・あやとりは人と人を結びつける紐 (ひも) なのかもしれません。

世界中には何と3,000種類もあやとりがあるそうです。色々なあやとりをたくさん取れるようになるのもうれしいけど、これが好き!が一つでも見つかると、あやとりがもっともっと楽しくなるかもね。

できるようになったら、あやとり先生になって友だちに教えてあげよう!そしたら、みんな、あやとり名人になれるから。




実は「あやとり・まりこ」は、神奈川県の藤沢にある湘南学園幼稚園でなが~いこと幼稚園の先生をやってきました。幼稚園では、あやとりに興味や関心がもてるようみんなで取り組んできました。退職した今も子供達とあやとりを楽しんでいます。

幼稚園は子供の王国。一人一人が身も心も解放された心地よい時間をたっぷりと過ごせる所でないとね。遊びは特に大切で、自分がしたい遊びが思う存分出来ることが大切。「あやとり教えて!」と声がかかったその時に、ワクワクしながらあやとりをしています。

年少さんは「あやとり・まりこ」を見つけると「あやとりのひもちょうだい!」と声をかけてきます。指にからませて、「これな~んだ・・」と難問題をふっかけてきます。ん~なかなかの難問!形をじっと観察して「すべりだい!」と応えるとグイとオリジナルあやとりを突き出し「違うよ。電車でした!」と、言うなりあやとりひもを手首にくるくると巻いて、さっさと遊びの続きを始めます。いいな~いいな~こんなやり取りは、年少さんならではのやりとり!

年中さんの保護者懇談会では、あやとりに取り組む中で、自分の指とひもが作り出すあやとりの面白さや楽しさを知って欲しいことを伝え、さらに、あやとりを親子で楽しんで欲しいので、二人で取り合う「もちつき」をお母さん方同士で実際に取り合ってみたとのことです。賑やかにぺったん!ぺったん!楽しんでいらしたようですよ。その成果は?すぐに子どもたちに広まり、あちらこちらでもちつき大会。「知ってる!お母さんとやったから・・・」「やろう!やろう!」と友だちとひもを引き合い、手と手が触れ合うと、どのペアーもニコニコ笑顔になるのです。触れあえるあやとりって、最高!今は、手品のような「ぱんぱんぼうき」や「コーヒーカップ→エプロン→ものさし」と連続するあやとりがお気に入りです。年長さんになったら、どんなあやとりに夢中になるのかな?楽しみです。

年長さんは3学期になると、一人ひとりに「あやとりカード」が配られ、学年全体で取り組みます。カードは、さいとうたまさんの『あやとりいととり』(福音館書店) の本の中から、指の動きが分かりやすいものが列記されています。いつ、どれに挑戦するかは自分で決めます。一人で3回出来たら先生に披露し、次のあやとりに挑戦していきます。

朝、「あやとり・まりこ」に会うなり、「紙しばい、出来るようになったから、見て!ここがポイントなんだよな~」と、つぶやきながら得意気に見せてくれる子。「4段ばしご出来るようになったから5段ばしごやりたい!」と言う友だちに「僕、出来るから教えてあげる!」と新たに挑戦しているあやとりを中断して、あやとり先生に変身する子。「あやとりカード」を見ながら「他にはどんなのがある?」と尋ねてくる意欲満々の子。「最初は、あやとり面白くなかったけど、今は面白い!」とちょっと照れながら、しっかり3回繰り返す子。年長さんの根気の良さに頭が下がります。がんばれ!がんばれ!

「あやとり・まりこ」は言います。「復習が大事なんだよ。覚えているか確かめてごらん。はぁ~い、カニさんどうぞ!!!」

あやとり、ばんざぁ~い。(つづく)

青木萬里子@ISFA 2011/02/18

十二支のあやとり -10 2011/01/01

明けましておめでとうございます。

恒例の十二支あやとりのご紹介。今年はウサギです。

(1)

アメリカ・オレゴン州のネイティブ・アメリカン・クラマスが伝えていた「ウサギ (a Rabbit)」(*1):このあやとりは1970年代の日本のあやとり本で紹介されており、ご存知の方も多いでしょう。最後の操作で、長い耳がピンと立ち上がってウサギの顔が現われると、ちょっと感動します。太めの糸で作ると形を整えやすく、さらに毛糸で作るとふさふさとして温かそうな感じを与えます (写真1)。

(2)

また、はじめの〈人差指のかまえ〉で、小指の背に結び目が当るようにして取ると、結び目が耳の先端に位置するように形作ることができるので、耳の先にリボンを付けているように見えます (2)。

もう一つは、北アメリカ大陸極北地方で広く知られていた「ホッキョクウサギ (an Arctic Hare - Lepus arctics) (*2)/カンジキウサギ (a Snowshoe Hare - Lepus americanus)」(*3):走るウサギを側面から見た形です。作り方は異なりますが、同じ地方に伝わる「カリブー」と糸の走りが全く同じパターンです。しかし、長い耳、太くて長い後ろ足、短い首となるよう糸の長さを調整すると、ウサギが走っているように見えます (写真3)。

(3)

ISFA設立者の野口廣が主催する「あやとり会」も5年目を迎えました。初級、中級、上級の3クラスに分かれた講習会とあやとり検定を行っています。興味のある方は、どうぞご参加下さい (イベント情報はこちら)。

今年も、あやとりについての情報提供など皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

(*1) Jayne, C.F. (1962) "String Figures and How to Make Them" New York: Dover. - A reprint of the 1906 edition entitled String Figures, published by Charles Scribner's Sons, New York.
(*2) Saladin d'Anglure, B. (2003) "String Games of the Kangirsujuaq Inuit" Bulletin of the ISFA 10:78-199.
(*3) Waugh, W. (2005) "Innu String Figures and Tricks" Bulletin of the ISFA 12:66-147.
TS & Ys

ドラえもん -4 2010/10/20

テレビ朝日系、11月19日放送の『ドラえもん』—「あやとり世界の王様に」。

のび太君は、しずかちゃん達に、自身の発明したあやとり作品「ほうき星」を見せています。しかし、相手にされません。家に帰って、お母さんに見せても、「何の役にも立たないあやとりをする暇があったら、勉強をしなさい」と言われる始末。嫌がるドラえもんのポケットから、もしもボックスを取り出し、「もしも世界中があやとりで夢中だったら、あやとりで人の価値が決まるのなら」というあやとり一色の世界を呼び出します。

最初は何事もなかったように思われたのですが、ジャイアンが、あやとりをして歩いて来たり、スネ夫が、しずかちゃん達にあやとりの「さかずき」を見せびらかしていたりしています。スネ夫に無理やりあやとりをしろと糸を押し付けられイジメられても、すばやく自分の糸を取り出し、「さかずき」「ほうき」「ちょうちょ」「二段ばしご」と、目にもとまらぬ早業で披露し、しずかちゃん達に賞賛される上に、いつの間にか人だかりに囲まれ、神童だと称えられます。

家に帰っても、今度は、「勉強をする暇があったら、あやとりをしなさい、いい大学、いい会社に入るため、入学テストで一番大事なあやとりをしなさい」と言われたりします。テレビCMでは、“あやとり飴”、“あやとり風味のジュース” とか、テレビ番組の戦隊ものでは、“アヤトリ5” が放映されていたりします。これは、5人が各人のひもを組み合わせて繰り出すあやとりパターンが武器になって、悪者をやっつけ、人を助けたりします。

夜になって、お父さんが帰ってきて、急いでテレビ番組 “プロあやマッチ” を見ます。そこでは、チャンピオンのアヤノトリローと挑戦者のグレート・フィンガーが対決します (解説者はストリング糸山)。まず挑戦者が、あやとりで「川」を作り、これをチャンピオンが取り上げ、「富士山」を作ります。それを、また、取り上げ・・・と試合が進んでいきます。そして挑戦者が、「大森林」という「多段ばしご」的なあやとりを作り、チャンピオンを追い込みます。最後に、チャンピオンがこれを取り上げ、クモの巣のような「ギャラクシー?」を作り上げ勝利をおさめます。このあたりのエピソードは、本でのドラえもんのエピソード (あやとりトピックス:ドラえもん -1) です。ただ、攻守が変わっています。番組が終わったところに、のび太の昼間の評判を聞いて、事務所の人が来て、プロの契約にと1億円を提示します。

翌日、朝寝坊しても、「あやとりの練習をする」といえば、「学校を休んでもいい」といわれ、朝食では、あやとり党が政権を取ったとか、あやとり大臣とかの話題であったり、出されるトーストも厚さがほかの人と違っていたりします。

出かけても、ジャイアンやスネ夫が、弟子入りを頼んできたりします。そこに、高級ブランドのあやとりを壊したので高額で買い取れと、三人の大人から絡まれる少年をかばいます:3人がかりで、あやとりで挑まれ、「一富士・二鷹・三茄子」のあやとりパターンを一時に手足で作り上げます。

ドラえもんは、このあやとり世界を最初からずっと嫌がっていました。それは、糸により、ニャーと猫本来になってしまい、疲れるのです。「一緒にやろう」と、無理やりひもを押し付けられ、これがバレてしまいます。そこで、ドラえもんは堪らなくなり、いそいで、元の世界にもどします。ちょうど、のび太がしずかちゃん達に「6段ばしご」をしているところで、その瞬間、いっぺんに、関心が示されなくなります。

今回は、指や糸の扱い、出来上がりのあやとりパターンの扱いが丁寧でした。

ドラえもん:トピックス 014 025 040 102

TS

みやざきアートセンターの「あやとり」彫像 2010/09/18

昨年10月にオープンした「みやざきアートセンター」(宮崎市) に、モニュメント「あやとり」があります:10歳過ぎくらいの女の子が二人、一人は座って、もう一人は立って、あやとりをとっている等身大のブロンズ像です。作者は宮崎彫刻グループ所属の満木攻一さん。

「あやとり」満木攻一 作 (写真提供:宮崎市 文化スポーツ課)

先日、その満木さんにお話しを伺う機会がありました。都城のかたです。宮崎市によるコンペ企画 (パブリックアートモニュメント設置事業) で、ノミネートされた8名のなかから、満木さんの案が選ばれたそうです。近所の小学5~6年生の女の子二人にモデルになってもらい、制作に3~4カ月を要したとのこと。センターでは子ども対象のイベントも多いということで、みんながふれあえる場にふさわしい雰囲気のものを、といった要望が主催者側からあったようです。道行く人々が像を見て、おもわずパッと手を差しのべ、あやとりに参加したくなるような気持になれば幸い、という意味のことを作者はおっしゃっていました。〈人々の交流の接点に、あやとり…〉といったコンセプトも述べておられました。私としては、あやとり自体の芸術性に着目して像制作に至った、といったコメントをちょっと期待したのですが、そういうことはあまり意識されなかったようです。

いずれにしても、市の関係者や作者の思いを託されたあやとり像が、アートセンター1階・太陽の広場の玄関口を飾り、宮崎一のメインストリート・橘通りに向けて置かれているのは、あやとりという文化遺産の持つ大きな可能性を象徴しているようで、たいへんうれしく思っています。宮崎にお見えの節は、ぜひアートセンターにお立ち寄りください。場所は市内中心部の「デパート前」というバス停近くで、だれでも知っているはずです。

宮崎:山下智道 (Tom Yamashita) @ISFA

〔追記〕

その後、このブロンズ像は人気者になっているそうです。しかし、右側の子にちょっとした災難が… → 宮崎日日新聞 2011年02月19日 リンク先はすでに存在していません

Ys 2011/04/05

今年も元気に「ゆびは魔法使い」~第8回善気山・遊びの寺子屋報告 2010/08/16




暑い日が続いています。皆さんお変わりありませんか。 「夏の京都は暑ぅおっせ。」・・・京都は哲学の道を一つ上がった善気山の麓にある法然院で、今年も7月25日 (日)~28日 (水) の4日間にわたって「遊びの寺子屋」が開催されました。

「ゆびは、まほうつかい!世界のあやとりで遊ぼ!」は毎日午後の1時半から4時まで南書院という広い畳の間の一角で行われました。今年は、あやとりの本、紐の他に、竹の簾に、「カニ」の最終形の「女の子」(日本)、「山の上のお月さん」(日本)、「か」(南アメリカ・ガイアナ)、「ぱんぱんほうき」(日本)、「二段はしご」(日本)、「カメ」(パプア・ニューギニア)、「バトカ峡谷」(アフリカ・ジンバブエ)、「山間の日の出」(アメリカ・アラスカ州)、「東京タワー」の完成形を割りピンで付けて示しました。

今年も元気な子供達とその保護者を中心に多数の方々が参加してくれました。多いときで7~8名、少ないときで2~3名の輪ができて、教えたり教えられたりしながら熱心にねばり強く指を動かしていました。小さい子は4才から5才、大きい子は小学5、6年生。それから保護者の方や、遊びの寺子屋講師の方々も懐かしかったり、興味があったりで積極的に参加していました。大人の方の中には何と宮崎から来られた自称「あやとり研究家」の方がおられました。その方は初日から3日間通われてあやとり関連の情報交換やあやとり技術の交流をされて帰られました。

竹の簾のあやとりが大いに役に立ちました。「ピンクのひもの女の子やりたい」とか「東京タワーがいい」、「ホウキ知ってる・・・」をきっかけに「カニ」から始めたり、1段から6段までのはしごシリーズに挑戦していました。「カメ」は、パプア・ニューギニアから日本のカメへ。「日本のカメ」は「ゴム」から「ヨーヨー」、または「飛行機」から「かぶと」、「かんざし」へ進んでました。中国では、「飛行機」の形の尾翼の指2本を下向きにして「魚」、「ゴム」を「ズボン吊り」と呼ぶなど、同じ形でも国によって呼び名が違う事を説明すると「なるほど魚によく似てる!」と感心していました。

さらに積極的な子は「山の上のお月さま」から「山間の日の出」へ。また、三年連続大阪から来ている女の子は「コウモリの群れ」(ブラジル) を完成させていました。大人の方は「二人あやとり」を一人でする「ひとりあやとり」を最後までやりきる熱心さでした。懐かしかったのでしょう。

今年の特徴としては、複数年にまたがって参加してくださった方々が多く一歩気持ちが深まったあやとり交流が出来たこと、また、より高度なあやとりに挑戦する方が多かったことなどが上げられます。

それから、今年はこの行事の一貫として、法然院が取り組む環境保全・自然教育活動に少しでも支援しようと、法然院の日常の幅広い活動に共鳴をされる作家の方々が作品をもちより講堂で展示、販売をする『掘り出し物ありまっせ!展』を行いました。その中で「あやとり・ゆびは、まほうつかい!」企画もお手伝いできないかと思案の結果、「結び目のないあやとりのひも」を1本100円で販売することで参加させてもらいました。「売れないだろう・・・」と思いつつ100本作って4日後、まとめてみたら何と90本近くも売れてビックリ。受付、販売をしていたボランティアの方に聞くと、まとめて数本買っていかれる方もいましたとのこと。あやとりに関する興味関心は意外と高いのかなと、嬉しくなりました。

今年も法然院の皆さん、法然院・森のセンターの皆さん、また、国際あやとり協会の皆さんのお力添えがあって、充実したあやとり交流の4日間を心地よい環境の中で、過ごさせて頂きました。皆さん、有り難うございました。心から感謝いたします。

青木萬里子@ISFA 2010/08/15

『カスペ!胸キュンジェネレーション天国』 2010/06/03

5月25日 (火) フジテレビ系列の火曜スペシャル番組 (19:00~20:54):「カスペ!三世代同居テレビ!!胸キュンジェネレーション天国 あの時!衝撃を受けた遊びは?」で、あやとりが紹介されました。団塊世代 (60代)、バブル世代 (40代)、IT世代 (20代) の3世代が、それぞれ子供の頃の遊びをベスト10形式で再現映像で紹介。スタジオトークでは、各世代のタレント数名が経験談を交えながら、世代間のギャップも楽しく、面白く展開する構成でした。

この中で、アラウンド団塊世代の遊びでは、路上遊び・メンコ&ベーゴマ・フラフープ・竹馬・糸巻き戦車・色水に続く7位に「あやとり」が入っていました。その内容は、冬が近づけば毛糸の余りを貰って「二人あやとり (川—鉄橋—網—馬の目)」や「ひとりあやとり (ほうき、4段ばしご—東京タワー)」などを楽しんでいたことをシンプルにまとめてありました (女の子にあやとり指導したISFA会員Aさんの話では、あやとりの再現映像は大田区の『昭和の暮らし博物館』で撮影されたとのこと)。スタジオでは、団塊世代の小川知子さんが、「ほうき」を実際に取って見せていました。手が覚えている (小川さんの言) ので、考え込むこともなく自然と作りあげられていきました。そして、IT世代の西山茉希さんが、昔の遊びとして学校の課外授業でも取り上げられていると話していました。ひも1本で遊べるあやとりは、世代を超えて楽しめるすぐれた遊びとして今後も受け継がれていくといいですね。

団塊世代の筆者には、ベーゴマがベイブレードに、ママレンジがクッキングトイに進化したという興味深いこともありました。なおこの世代は、自身が体験した時代、その後の自分の子供なり孫の世話ということから、すべてのトピックを知っているという面もありました。

TS

NHK大河ドラマ「龍馬伝」でのあやとり 2010/01/17

NHKの大河ドラマ「龍馬伝」が始まりました。第一回「上士と下士」の終了から約10分前のところ、岩崎弥太郎が上士にぶつかり、上士に手打ちにされようとするところを龍馬が庇います。その一触即発の危機が去り、場面は一転、緊張のほぐれた穏やかなシーンとなります。坂本家の家の部屋の中、前景では、「夫婦げんかで実家に帰っていたのを、夫が連れ戻しに来た」という会話が進行していきます。これも穏やかながら一件落着の場面ですが、その後景となる部屋の縁側で、坂本家下女ぎん (林侑香) と、(坂本龍馬の姪の) 春猪 (はるい 松元環季) の二人が、いきいきと「二人あやとり」を取り合っていました。まことに穏やかな場面を表しています。

TS