あやとりトピックス 241-250
港区立伝統文化交流館で昔遊び その2 2024/03/10
港区スポーツセンター主催「みなとパーク芝浦フェスティバル」の一環として、港区立伝統文化交流館にて「みんなで楽しい昔あそび」のイベントが3月2日に開催されました。(同会場での過去のイベントの様子はこちらをご覧ください)
そこでは「たま川お手玉の会」(代表:伊藤ひで)の皆さんが昔遊び(折り紙、お手玉、あやとり)を提供し、あやとりもそのひとつとして参加しました。
日時: | 2024年03月02日(土)午前10時~午後4時 |
場所: | 港区立伝統文化交流館1階和室 |
当日はスタンプラリーもあり、多くの人が訪れました。
「たま川お手玉の会」の良いところは、子どもも大人も、好きな遊びを選べる点にあります。
① 折り紙〈トントン相撲〉
折り紙でお相撲さんを折り、それを使って遊びます。
小さい子どもから大人まで、箱をトントンと叩きながら夢中になって遊びました。
② お手玉〈自由遊び〉
お手玉ほど、大勢で楽しく遊べる遊びはないかもしれません。
皿を的にし、投げて遊んだり、ママごとをしたり、輪になって歌いながら受け渡していったり、風呂敷に集めて皆で持ち上げたり、発達に合わせて楽しく遊びました。
中には4つのお手玉を操る強者も現れました。
③ あやとり〈朝顔からお雛様〉と〈花かご〉
あやとりのコーナーは、あやとり教室指導員の資格を持つ服部知明氏、青木萬里子氏と吉田仁子、及び昨年に小2で「あやとり教室指導員」の資格を取得した栗田亮佑君の4名で指導に当たりました。
「朝顔からお雛様」は日本の伝承あやとりで、とても喜ばれました。
子どもたちは一緒懸命に習得しようと頑張っていました。年配の方も孫に教えたいと張り切っていました。
朝顔を作るのが難しい小さいお子さんは、ぱんぱんほうきや、お星様、バナナなどを作りました。
いずれのコーナーも、のべ50人から60人ほどがおとずれ、大盛況でした。
大人も子どもも、楽しく遊んで、賑やかなひとときでした。
この場を設けてくださった関係者の皆様に、深く感謝いたします。ありがとうございました。
報告:吉田仁子@ISFA & 写真提供:青木幸久
「あやとりで干支しちゃった!」 2024/02/26
昨年に引き続き、東京都調布市国領町「市民プラザあくろす」で、「たま川お手玉の会」(代表伊藤ひでさん)が「折り紙、ときどきあやとり、そしてお手玉」と題して展示を行いました。
場所: | 東京都調布市国領町2-5-15コクティー2階「市民プラザあくろす」市民活動支援センター |
期間: | 2024年02月14日(水)〜03月08日(金) |
時間: | 午前8時30分〜午後10時、最終日のみ午後2時まで |
「たま川お手玉の会」は、長年に渡り高齢者の居場所として、主に折り紙、お手玉、あやとりなどを勉強し、地域の子どもたちに伝えるという活動を行なって来ました。(保育園、小学校、地域のイベント)
遊びの種類が多いことで、高齢者も子どもたちも、自分の好きな遊びが選べるのが良いところです。
そして日頃の成果を発表する場として、今年も展示会を行いました。
今年のテーマは干支ということで、あやとりも干支で参加しました。
全体の写真です。左から、折り紙、あやとり、お手玉です。
右上より
- 子(ねずみ)「ねずみの顔」:ナイジェリア伝承作品
- 丑(うし)「アルプスの牛」:Axel Reichertさん創作作品
- 寅(とら)「とら」:福田けいさん監修「親子で遊ぼうあやとり大好き!」(池田書店)オリジナル作品
- 卯(うさぎ)「うさぎ」:北アメリカ先住民族伝承作品
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- 辰(たつ)「たつ」:服部知明さんの創作作品
- 巳(へび)「海蛇」:ナウル伝承作品
- 午(うま)「回転木馬」:神谷和男さんの創作作品
- 未(ひつじ)「ひつじ」:福田けいさん監修「親子で遊ぼうあやとり大好き!」(池田書店)オリジナル作品
- 申(さる)「さる」:福田けいさん監修「親子で遊ぼうあやとり大好き!」(池田書店)オリジナル作品
- 酉(とり)「白鳥」:アラスカ、カナダ極北圏東部伝承作品
- 戌(いぬ)「耳の大きな犬」:カナダ極北圏伝承作品
- 亥(いのしし)「こぶた」:ソロモン諸島伝承作品
他に、折り紙とお手玉の干支の作品がありますが、写真の容量の制限で割愛させていただきます。
この展示会場は2年前から設けられ、「市民プラザあくろす」の活動に活気を与えて来ました。このような場を設けてくださった関係者の皆様に感謝致します。
そして、これを見てくださる方々が楽しんでくださることを、参加者一同心より願っております。
吉田仁子@ISFA
「景丘の家」あやとり講習会 2023/12/18
2023年11月18日(土)の午後に東京渋谷区立の教育施設「景丘の家」で「あやとり講習会」を開催いたしました。
参加されたのは小学低学年13名、高学年5名、大人4名の計22名の参加でした。
景丘の家2Fのアートスクールは広々とした部屋に大きな窓から太陽が差し込み、明るく緑に囲まれた都心とは思えない快適な環境で、6人掛けのテーブルが6個あります。あやとりの指導には、1テーブルに1名づつ計6名のインストラクターと、応援にかけ付けた中1の稲垣玲君で指導に当たりました。
最初に結び目の無いあやとり専用ひもを配り、テキストには初級、中級が掲載されている「みんなであそぼう!やさしいあやとり」(成美堂出版)を用いました。
会の初めに私(野口とも)が世界地図をお見せしながら世界のあやとりについての簡単な解説をし、それに合わせて、各指導員が交代であやとりの実演をお見せしました。
まず1番目は日本のあやとり「山の上のお月さん」を青木萬里子さんが実演して下さいました。次にオセアニアのあやとり「ライアの花」を福田恵美さんが、続いてアメリカ(ナバホ)のあやとり「テントの幕」を吉田仁子さんが、アフリカのあやとり「バトカ峡谷」を伊藤ひでさんが、最後に極北圏(イヌイット)のあやとり「かもめ」を杉林武典さんが実演して下さいました。
完成形が出来上がる度に参加者から「わー!」と歓声が上がったり拍手が送られたりと盛り上がったところで、各テーブルごとの指導が始まりました。
こうしてあっという間に時間が過ぎて閉会の時間となりご父兄がお迎えに来られると子供たちは今日覚えたあやとりをご父兄に見せあって喜んでいました。
親子でふたりあやとりの「もちつき」をしたり、写真をとったりと楽しい時間だったと思います。
会の終わりに次のようなアンケートが配られました。
【あてはまるものに〇をつける】
とてもおもしろかった。
おもしろかった。
あまりおもしろくなかった。
おもしろくなかった。
回答は11名で全員がAをつけていました。また、次のような感想文が寄せられました。
- いろいろなあやとりのとりかたをおしえてもらった。
- いろいろなあやとりをやれたから。
- いろいろなかたちをつくれたから。
- いろんなかたちをつくれておもしろかった。
- 「かに」をつくれてよかった。
- さかずきだけであんなにできるところがおもしろかった。
- あやとりはまほうつかいみたいにできあがるから、おもしろかった。
- あやとりは、見るとむずかしいと思うけど、やるとたのしいです。
- 娘といっしょに練習したいです。
- たくさんのあやとりをおぼえられて、たのしかった。とてもおぼえやすかった。あやとりめいじんになれた。
- いろいろあやとりのやりかたをおぼえてうれしかった。どんなことかというと、むずかしいわざやふくざつなわざもめげずにがんばったのでできたとろにうれしいきもちでいっぱいでうれしかった。だんだんうまくなってわざができるようになっておもしろかったです。
アンケートを書いて下さった方々ありがとう!!
こうしてみんなであやとりをして、指導員の私たちにとっても楽しい1日でした!
報告:野口とも@ISFA & 写真提供:景丘の家
あやとり披露会開催 2023/12/13
今年10月にあやとり教室指導員の資格取得した小学2年の金政奏佑君のお母様から、12/6に開催したあやとり披露会の様子についてご連絡いただきましたので、以下紹介します。
あやとり教室指導員の資格を取得したので、奏佑がみんなにあやとりを見せたい!と言いました。それならと、奏佑のあやとりが好きになったきっかけ(幼稚園で初めてあやとりを教えてもらいました)となった卒園した幼稚園に相談して、12/6(水)にあやとり披露会を開催してもらいました。
年長組は2クラスあり、それぞれ披露時間は15分程度です。
奏佑が事前に台本を作り、当日披露するあやとりを考えました。
披露したあやとりは以下の作品です。
- 日本のあやとり:ほうき、四段ばしご、山の上のお月様
- オセアニアのあやとり:テリハボクの花、潮の満ち引き、小舟→カニ
- 南アメリカのあやとり:おうむ
- 北アメリカのあやとり:テントの幕
- 極北圏(カナダ北部)のあやとり:耳の大きな犬
- マジックあやとり:てくびぬき
ほうきや四段ばしごは知ってる子が多かったのですが、日本以外のあやとりは知らない子ばかりで、耳の大きな犬の動く様子は歓声が上がりました!てくびぬきも大人気で、やりたい子にお手伝いをしてもらい何度も披露しました。お披露目会後、幼稚園内であやとりやりたい!と言ってくれる子が増えたそうで、保育の時間にあやとり遊びも入れてくださっているそうです。
また、奏佑に影響を受けてなのか、さっそくあやとりの本を購入して楽しんでいるお子さんもいると幼稚園からうかがいました。
奏佑もみんな興味持ってくれて嬉しい!ととても喜んでおります。
あやとり教室指導員資格の取得者が次世代にあやとりの楽しさを伝え、その魅力が広がっていく様子を伺うことができて大変嬉しく思います。
報告:加藤直樹@ISFA & 情報・写真提供:金政君のお母様
第4回国際あやとりフェスティバル開催 2023/12/07
日本時間2023年11月26日に、第4回国際あやとりフェスティバル【AROUND THE WORLD IN 80 THREADS】が開催されました。
このフェスティバルの主催場所はチリですが、地理的にチリで行なわれているわけではなく、オンライン開催で世界中から参加することができます。
世界中の人たちがあやとり作品の説明・作り方の解説を事前に録画し、その動画を集めて上映する催しで、世界各国のあやとり愛好家が動画を介して集まり、好きな作品を紹介し合うイベントになります。
あやとり作品を動画で紹介・解説する参加者は国際あやとり協会会員でなくても良く、どなたでも応募可能で、フェスティバル開催の4ヶ月程前から当協会ホームページで応募の告知を行っておりました。
過去の参加者の出身国は、チリ、ブラジル、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、オランダ、ドイツ、フランス、ポーランド、オーストラリア、ニュージーランド、中国などで、開催4回目にして初めて日本からの参加がありました。
日本人参加者は、4歳と6歳の岩下さんご姉妹(フェスティバル史上最年少出演者)と、野口とも氏と私(共に国際あやとり協会会員)で、フェスティバル公式Youtubeチャンネルで配信されているアーカイブ動画にて、それぞれ20:50、42:30、1:37:30、1:18:10辺りからご覧になれます。
また日本以外にも、多くの国からの出演者による多種多様なあやとり作品の紹介があり、上記チャンネルから過去3回のアーカイブ動画もご覧になれますので、国境を超えた人々があやとりを通じて集うこのフェスティバルを楽しんでみてはいかがでしょうか。
加藤直樹@ISFA
〔追記〕2023/12/15
注意事項:フェスティバルの参加作品は伝承あやとりの他に創作あやとりも含まれています。国際あやとりフェスティバルのアーカイブ動画をSNSなどでの発信を考えておられる方へのご注意です。
伝承あやとりの場合は完成形やあやとりのとり方の他に、出来ればどの民族に伝承されていたかを明記して伝承者に敬意を表しましょう。
創作あやとりの場合は、作品に著作権が付いています。ですから完成形やあやとりのとり方の他に、必ず作者の氏名と国名(或いは民族名)を明記することを心掛けてください。よろしくお願いいたします。
野口とも@ISFA
第32回野口廣記念あやとり講習会・あやとり検定報告 2023/11/08
爽やかな秋晴れの一日となった2023年10月28日(土)に、第32回野口廣記念あやとり講習会と検定を東京代々木のオリンピックセンターで開催いたしました。
前回も多くの方が参加して下さり、開催した部屋が満員となったため、今回はその倍の広さの部屋を用意しました。今回も関東一円だけでなく、長野県、愛知県、京都府、岡山県、広島県、そして鹿児島県からも参加して下さった方々をお迎えしての開催でした。
講習会は初級、中級、上級クラスに分かれて指導されますが、まずはそれぞれの指導員によって、当日指導するあやとりの実演があります。
初級クラス、最初は青木萬里子先生により秋にちなんで月のあやとりを2つ、日本の「月にむらくも」と「山の上のお月さん」が選ばれました。外国には太陽や星のあやとりは沢山ありますが、月のあやとりは多くはありません。うれしいことに日本には月のあやとりが数多く伝えられていました。昔から日本人は、春はおぼろ月夜、秋はお月見などと月をめでる風習があったからだと思います。
次に伊藤ひで先生により「おうむ」と「ほうき→やぶの中の一軒家→はさみ」が選ばれました。「おうむ」は動きのあるあやとり、「ほうき→やぶの中の一軒家→はさみ」は次々と形を変える連続あやとりで多くの日本人に愛されてきたあやとりです。
続いて「あやとり教室指導員」の資格を取得された3人による初級あやとりが紹介されました。まず竹原庸光氏によって「ハワイのさかな」と「流れ星」が選ばれました。「ハワイのさかな」は簡単ですがダイナミックなあやとりで完成形に無駄のないあやとりです。「流れ星」は日本人シシドユキオ氏の創作で、とり方の手順は少ないですが、流れ星の描写が実物そっくりの素晴らしい作品です。
続いて小学6年生の藤本湊大君が「バトカ峡谷」と「草ぶきの小屋」を紹介しました。「バトカ峡谷」はアフリカ、ジンバブエのあやとりでジンバブエとザンビアの国境を流れるザンべジ川のほとりにあるバトカ峡谷を3つの山と谷川で見事に表現しているあやとりです。アフリカらしいシンプルで大胆なとり方をします。「草ぶきの小屋」もアフリカ、ザンビアのあやとりで、とり方が簡単な割に出来上がりの形が美しいあやとりです。
続いて小学2年生の栗田亮佑君によって「ネズミの顔」が選ばれました。ミッキーマウスのような可愛いあやとりで、大人の男性の方がマスターされています。
あやとりはお子さんでも先生になれるのです。
中級では吉田仁子先生によって「ナバホのフクロウ」が選ばれました。アメリカの先住民ナバホの人々はあやとりの名手でした。空の美しい高地に住んでいるので、星のあやとりを始め沢山の素晴らしいあやとりが伝えられています。「ナバホのフクロウ」は大きな羽を広げた完成形が見事なあやとりです。
続いて福田恵美先生によって、極北圏アラスカの「山間の日の出」が選ばれました。極寒の地アラスカやカナダ北部など極北圏は、日照時間が少なく、太陽が昇るのを待ちかねていた人々が、太陽が昇った時の喜びを表現した素晴らしいあやとりです。アラスカやカナダ西部では「山間の日の出」と呼んでいますが、北緯71度のアラスカ最北端バロー岬では太陽はほとんど上らないので「山間の月」と呼んでいます。極北圏に住む人々の思いが伝わるあやとりで、想像力が掻き立てられますね。
続いて中級では加藤直樹先生によって「ライアの花」が紹介されました。「ライアの花」はオセアニアの小さな島バヌアツ共和国のあやとりです。世界中で3000種類以上ものあやとりが見つかっていますが、そのうちの3分の2の2000種はオセアニアで伝えられています。オセアニアはあやとりの宝庫ですね。
上級あやとりは完成形が大事です。今回の上級クラスでは、完成形を形よく作る方法を教えていただくことになりました。まず、杉林武典先生によってアラスカ、イヌイットの人々の傑作「つがいのライチョウ」を形よく作る方法を教えていただきました。せっかくとれたライチョウがややもするとつぶれてしまいがちです。ふっくらとした大きなライチョウになるにはどうしたら良いか、そのコツを指導していただきました。
同じくカナダのコパーイヌイットの傑作あやとり「耳の大きな犬」も完成形が難しいです。多くの場合「犬」ではなく、「狼」になってしまいがちなので、可愛い「犬」の作り方を服部知明先生に指導していただきました。
このほか上級クラスでは「あやとり教室指導員」の資格を取得された奥野ふみさんと吉井よし子さんによって「小舟→かに」と「ひきがえる」を指導していただきました。
「あやとり教室指導員」の資格を持つ中学生の稲垣玲君も「小舟→かに」の指導を手伝っていました。
こうして午後3時までの間に参加者の方々は、明るく広々としたオリンピックセンターの会場でお好きなあやとりを楽しみ、それぞれに幾つかの新しいあやとりをマスターされておりました。
第32回あやとり検定
講習会に引き続いて、午後3時20分より「第32回あやとり検定」が行われました。
検定は、初級3種とれると合格。中級2種とれると合格。上級1種とれると合格です。
1日に一人10回まで受けられるので、1日で何枚も合格証を取得した人達もいます。検定員は講習会と同じく初級は青木先生と伊藤先生、中級は吉田先生と加藤先生、上級は杉林先生と服部先生でした。
皆様合格おめでとうございます!
初級2枚、中級3枚、上級5枚集めた場合は、「あやとり教室指導員」の資格を取得する権利が与えられます。「あやとり教室指導員」の資格を取得するには実技試験の他に筆記試験、アンケートなどの提出もあり、指導の実習も加わるハードルの高い資格です。この資格を取得した人はご自分であやとり教室を開いたり、各種あやとり講習会での指導をお願いする等、様々な活躍の場があります。
今回この「あやとり教室指導員」の資格を取得したのは、小学5年生の林瑞葉君、小学4年生の深川凱雄君、小学2年生の金政奏佑君の計3人でした。
片山瑛太君、遠藤宗介君、池田ゆうき君も初級2枚、中級3枚、上級5枚の合格証を取得しましたがまだ年長さんなので、資格取得に必要なアンケートや筆記試験などをご自分で書けるようになってから「資格取得の申請」をしていただく事になりました。
あやとり天才少年が次々と育っているのはとてもうれしい事と思っています。
今回特筆すべきは、すでに数年前に「あやとり教室指導員」の資格を取得して、「府中あやとり教室」で延べ5000人もの人にあやとりの指導をしている服部知明さんが、何年もかけて検定あやとり全ての合格証を取得され、名実ともに「あやとり教室上級指導員」の資格を取得されたことです。これで国内の「あやとり教室上級指導員」は杉林武典氏に続いて2人目となります。
こうして検定も順調に行われ、受験者の皆さんも合格証を手にした喜びと達成感に満たされて、それぞれ明るい笑顔での解散となりました。
参加された方から翌日次のような嬉しい感想が寄せられました。ありがとうございました。
「昨日はあやとり検定に参加できて本当に良かったと思っております。初めて大人数で一斉にあやとりを行う風景を目の当たりにして1日経った今でも感動が忘れられません。次回のあやとり検定はもちろん、他のあやとりイベントにも積極的に参加させていただきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。」
オリンピックセンターでのあやとり講習会は2006年1月に、国際あやとり協会の創立者、野口廣によって始められました。以後毎年1月、5月、10月の年3回開始され、当時国際あやとり協会の編集員を務めておられたシシドユキオ氏によるテキストが使用されていました。初回は野口廣の家族だけで始められましたが、2回目から日本あやとり協会会員だった杉林武典氏が、3回目からは幼稚園であやとりの指導をしておられた青木萬里子氏が指導員として参加して下さり、18年後の今回は16人ものスタッフで開催する事が出来ました。これは2011年に野口廣によって始められたあやとり検定による「あやとり教室指導員」の資格を取得された方々が次々に加えられたお陰です。
この「あやとり教室指導員」の資格は、日本国内におけるあやとりの普及活動のために始めた「あやとりコンテスト」主催のもので、一部のマスコミ等が「国際あやとり協会認定 あやとり教室指導員」等と大げさに宣伝していますが、これは誤りです。このあやとり検定は国際あやとり協会認定のものではなく、日本国内におけるあやとりの普及活動のために野口廣が始めたものだからです。
国際あやとり協会(ISFA)とは世界中に沢山の会員がいる国際的な団体です。
私たち国際あやとり協会の会員は、急速に消滅しつつある世界のあやとり文化を収集、保存、研究し、後世に残そうというISFAの趣旨に沿って活動をしております。
あやとりは楽しい遊びです。楽しみながら脳が鍛えられるといわれています。古代から伝えられた紐の芸術であるあやとりが多くの人々に正しく伝えられていきますよう願っています。
報告:野口廣記念あやとり講習会・検定 世話人 野口とも@ISFA & 写真提供:青木幸久
あやとりグループ展「あやとりひろば」の報告 2023/10/06
場所: | 京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターA・B館5Fブリッジギャラリー |
期間: | 2023年09月14日(木)~09月19日(火) |
時間: | 午前10時~午後8時、最終日のみ午後4時まで |
このあやとりの展示にあたり、一番の悩みは、あやとりを手から離してしまうと、途端にあやとりの生き生きさを失ってしまうと言うことでした。
では、生気を失った標本のようなあやとりに意味は無いかというとそうではありませんでした。標本のようになっても、あやとりは益々美しく、また観察すると多くのことが分かりました。「あやとりの展示」、そこには実に面白い、新しい世界が存在したのです。
そして、年代も様々な6人が(10代未満〜90代)個性溢れる展示を行いました。お楽しみください。
1. 吉田仁子のコーナー
作者紹介: |
今回のグループ展「あやとりひろば」代表
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内容: |
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① ようこそ「あやとりひろば」へ
当「あやとりひろば」への案内のポスター、「あやとりの話」(あやとりを簡潔に説明した文)、第32回野口廣記念「あやとり講習会・あやとり検定」告知のポスター
国際あやとり協会(日本)のホームページより「あやとりについて」「国際あやとり協会について」
国際あやとり協会の存在を知らなかったとおっしゃる方が多く、小さな文字でしたが、熱心に読んでくださる方もいました。
大きな文字で「世界には3000種のあやとりがあります。」と掲示
これも「知らなかった」と反応してくださる来場者が多かったです。
② 世界のあやとりと創作あやとり
世界のあやとりの紹介
伝承あやとりの紹介については、3人で分担しました。
- 伊藤ひで(日本)
- 服部知明(ナウルとイヌイット)
- 吉田(北米、南米、アジア、アフリカ、オセアニア、南太平洋の島々)
(展示作品25点および参考文献)
- ヤシの木、こうもりの群れ、バトカ峡谷、ねずみの顔、ナバホの蝶、たくさんの星、うさぎ、テントの幕、足跡、火山:『改訂版あやとり大全集』野口とも著、主婦の友社
- モア島、かに:『世界の伝承あやとり オセアニアのあやとり①』野口とも著、誠文堂新光社
- 日の出、バナナの木、鳥の群れ、焼け焦げた葉のククイ、2本マストのカヌー、嵐の雲、すばる、メクラヘビの目、スカンク、3つの星、海蛇、稲妻:「あやとりしてみよう」石野恵一郎
多くの人が、自然界を表現するあやとりの多様さに、驚いていました。
創作あやとり
吉田仁子の創作あやとり8点
長谷川浩氏の「パターンあやとり」は、ちょっとした発想の転換で誰でも無限に創作あやとりができると言うことを提唱しています。それを吉田が証明、実践しました。長谷川氏のコピーではなく、長谷川氏のアイデアを使った吉田のオリジナルです。
きれいと言ってくださる人がいました。
2. 野口とも氏のコーナー
作者紹介: |
野口とも氏は、国際あやとり協会の前身・日本あやとり協会を設立し、1984年に国際あやとり協会に発展させた野口廣先生が著したあやとり本の著作協力や、廣先生亡き後も、野口廣記念あやとり講習会・あやとり検定の世話人を長年にわたって務められています。また、あやとり本も多数出版されるなど、あやとり界の第一人者として活躍されてきました。今回ご家族のご厚意により、1点ですが廣先生の作品も展示することができました。
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内容: |
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① 展示作品2点および参考文献
とくに「耕作地」は大きく、美しく人目を引きました。
廣先生の作品の2羽の雷鳥は大変貴重なものです。
② あやとりの様子の絵と写真
明治時代のあやとりの様子を描いた絵
徹子の部屋に出演された野口廣先生のお写真
パプアニューギニアの2人あやとり
京都法然院のあやとり会
あやとり講習会の様子
特に写真は見る人にわかりやすいようです。徹子の部屋に出演された写真を見て、驚く人もいました。
また、パプアニューギニアの2人あやとりは、外人が2人あやとりをしているのが珍しいと話をしている人がいました。
3. 服部知明氏のコーナー
作者紹介: |
あやとり講習会では上級の指導員を務め、府中ではあやとり教室を開催。延べ5000人の子供たちを教えています。
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内容: |
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今回世界のあやとりのうち、ナウルとイヌイットの超絶技巧のあやとりを担当してもらいました。また手作りの写真ファイルを置いて、服部氏の創作あやとり数十点を面白く、分かりやすく紹介してくれました。
また、このファイルの横に感想ノートを置いて来場者の感想を書いていただきました。内容は後述します。
「白鳥」と「ワタリガラス」が白と黒のコントラストになっているのが面白いというお子さんもいました。
創作あやとりのファイルは、楽しく親しみやすいように工夫されていて、熱心に見いっている人がいました。
4. 大坂聡志君のコーナー
作者紹介: |
「マツコの知らない世界」や数回のテレビ出演でもお馴染みです。天才あやとり少年と表されている「あやとりサトシ」君です。夏休みに準備し、搬入搬出も学校が終わってから駆けつけてくれました。(小学3年生)
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内容: |
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① 創作あやとり
それぞれのあやとりにテーマがあって、(「宇宙」「お月見」「じゃんけん」など)背景が描かれ、サトシくんの創作あやとりが生きていました。特に「お月見」は、あやとりを使った工夫が面白いとながめる人が多かったです。
② 伝承あやとり
日本のあやとり、各地のあやとりの呼び方、世界のあやとりなどを展示しました。
畳を背景にした「日本のあやとり」には、なるほどと感心する人がいました。日本地図に「各地のあやとりの呼び名」を描いたものは、「ここでは〇〇って言うんだね。」と家族同士で話し合っていました。
5. 長谷川浩氏のコーナー
作者紹介: |
大企業にお勤めで忙しい合間を縫って、長野県茅野市から参加してくださいました。ちょっとした発想の転換で誰でも無限に創作あやとりが取れると言う「パターンあやとり」の提唱者です。毎日ご自分のサイト「あそびをせんとや」で新しい創作あやとりを発表されています。
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内容: |
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はじめに「パターンあやとり」の理念が示されています。全て長谷川さんの創作あやとりで、平均4メートル、長いものでは5メートルの紐を使って華麗なあやとりを作り上げていました。
黒をバックにした大きな美しいあやとりはまさに大人のあやとりです。腕組みをして熱心に見いる若い男性の姿もいました。
当初予定していた金具が合わず、急遽黒ガムテープで止めることになってしまいました。
6. たま川お手玉の会代表伊藤ひで氏のコーナー
作者紹介: |
「たま川お手玉の会」は、高齢者が集まり、折り紙やお手玉、あやとりなどの技術を磨き、調布市や狛江市の幼稚園や保育園、小学校、地域のイベントなどで子供たちに教えています。
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内容: |
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今回は日本のあやとりを担当しました。皆で集まり、一人一人が作品を作り上げ、自分の名前をつけて展示しました。
このコーナーでは、変化するあやとりを一つの額に入れて表現しました。
額に入ったあやとりはなかなか様になり、見覚えのある「あやとり」に「これとった事あるよ!」と指差して話す子供たちやお母さん、懐かしそうに見入る年配の人たちもいました。
7. いただいた感想
メールでいただいた感想。
あやとりの展示とはどのようなものか、行くまではなかなか想像できませんでしたが、あのような形で人の手からも離れて、形状としてしっかり飾れる技術の高さとそのバリエーションの豊かさに驚きました。また、あやとりの地域による様々な呼称など、あまり知ることのない情報に触れることができ、新鮮な気分を味わうことができました。
感想ノートから、代表的な感想と特筆すべき感想。
- 作り方がわかったらよかったです。でも楽しかったです。
- 紐と手のみでこんなにも表現できるのがすごいと思います。
- 珍しい世界のあやとりの技が見れて、面白かったです。
- 世界には3000種ものあやとりがあるのですね。
とり方を知りたかったと言うご意見をありがとうございました。今後、参考文献などの掲示も大切と思いました。(今回このあやとりトピックスにて、吉田が担当したものだけですが、参考文献を載せました。)
この他、ご来場くださった皆様から、様々なご感想をいただきました。本当にありがとうございました。今後に生かしたいと思います。
少しでも世界のあやとりや、あやとりの楽しさを知っていただけたと思います。
また、今後も展示していけたらと勇気をいただきました。
ここにご感想の全部の写真を、載せたいと思います。
また今回、この「あやとりひろば」を開催させてくださった京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターアウラホールのスタッフの皆様、本当にありがとうございました。
また、告知してくださった「もしもし新聞」様ありがとうございました。
最後になりましたが、数学雑誌「数学セミナー」の編集長、ご来場くださった皆様本当にありがとうございました。
吉田仁子@ISFA & 写真提供:青木幸久、吉田仁子@ISFA
斎藤たま氏収録音源・あやとり唄公開 2023/09/15
斎藤たま氏が日本の民俗文化を調査・研究し、当協会会員の協力のもと、調査内容の中から「あやとり」に関する記録をまとめ、協会の会誌として出版されたこと、また会誌の原稿資料となっていると思われる調査カードは東京文化財研究所(以下、東文研の記します)が所有されていることについて、すでにトピックス229で述べました。
その協会の会誌「BISFA Vol.11」及び日本語版「BISFA Vol.11 Japanese edition」には、唄いながらあやとりで遊ぶ伝承作品がいくつか収録されていますが、記録されているのは作品の作り方と歌詞のみになります。
しかしその中の「ぶんぶく茶釜」と「糸引けブンブン」の作品について、当協会が保有する資料から、斎藤たま氏ご本人が唄っている音声データが見つかりました。またその音声データには、斎藤たま著「野にあそぶ」(1974) 平凡社、「野にあそぶ 自然の中の子ども」(2000) 平凡社に収録されている遊び唄も記録されていました。
そして当協会会員であった宍戸行夫氏が斎藤たま氏に依頼し、たま氏ご自身が録音された音源であること、その音源をネットで公開する予定であったことも当協会保有資料から判明しました。
この音声データの扱いについて、斎藤たま氏の調査カードを保有し、その内容をデータベース化・ネット公開されている東文研にご相談したところ、東文研が動画に編集し、ネットに公開してくださることになりました。
その動画が今月14日に「東文研Youtube公式チャンネル」にて公開されました。この動画は東文研の「斎藤たま 資料集成」サイトのリンクからご覧になることもできます。
あやとり唄は、動画後半の5:32と6:21辺りから流れます。実際にどんな間合いや声の張り方かが分かり、まさに「百読は一聞に如かず」でした。
この貴重な音源を動画編集・公開していただいた東京文化財研究所様に、この場をお借りして感謝申し上げます。
加藤直樹@ISFA
宮崎市にてあやとりサークル「TEAM AYATORI」設立 2023/08/22
成松高嗣君(現在小学3年生で今月上旬からISFA会員)が、今年の2023年5月に開催されたあやとり検定にて「あやとり教室指導員」の資格を取得されたことについて、先日トピックス235でお伝えしました。
その高嗣君が2023年7月1日に宮崎市にて、あやとりの普及活動を行う「Team Ayatori」というサークルを設立されました。活動内容としては、子ども向けのあやとり教室を開催したり、小学生の児童クラブや子ども食堂、公共施設にてボランティアであやとりを教えているとのことで、高嗣君が主催となってイベント活動を行い、あやとり検定初級を取得した弟の知嗣君も一緒に活動を行なっているようです。
サークル公式サイトで詳しく活動報告内容が掲載されておりますが、今月8月10日(木)には、子ども食堂のイベントに参加した子どもたちに、バナナや扇子、つづみなどのあやとり作品を教えるイベントを行なったそうです。
このように、あやとり教室指導員資格の取得者がサークルを設立され、参加者にあやとりの楽しさや魅力を伝える姿を拝見でき嬉しく思います。
高嗣君や知嗣君の熱意によって、あやとりが次世代に継承されていくことは当協会にとって大きな喜びです。
報告:加藤直樹@ISFA & 情報・写真提供:中武英則@ISFA
港区立伝統文化交流館のあつまれ!あやとりひろば 2023/08/15
2023年8月12日(土)、港区立伝統文化交流館で「あつまれ!あやとりひろば」と題して、あやとり会が行われました。
時間は午前の部10:30〜12:00、午後の部13:30〜15:00でした。
日頃は情報コーナーになっている和室(12畳)が「あやとりひろば」の会場です。
教えたあやとりの内容は、基本以下の4つです。
「お星さま」「ぱんぱんほうき」「コインおとし」「バナナ」
この他に、臨機応変に、何を教えても良いことにしました。
講師は、国際あやとり協会(日本)会員を含む、伊藤ひで、服部知明、吉井よし子、奥野ふみ、吉田仁子の5名でスタートしました。
途中から、青木萬里子、福田恵美、杉林武典、の3名が応援に駆けつけ、計8名の講師陣になりました。(青木幸久は写真を撮って記録してくれました。)
最初から大勢の親子連れが訪れ、部屋はいつも満員状態になりました。当初は講師を交替性で対応しようと思っておりましたが、常に親子連れが訪れ、全員で対応に追われました。大勢の講師がいてくれたおかげで、その子に寄り添った丁寧な対応ができたと思います。
はじめの構えもままならない子どもや親御さんが、だんだんとあやとりを自分のものにし、習得していく様は感動的でした。
中には、いきなり「耳の大きな犬」を教えてと言ってきた年長の男の子がいました。これには、野口廣記念あやとり講習会 & あやとり検定の上級指導員をしている服部知明さんが対応し、たくさんの上級あやとりを教えていました。
初心者も熟練者も、講師とご家族が一体となって終日楽しく過ごしました。
なお、今回はあやとりの展示も少し行いました。
また、「あやとりについて」や「国際あやとり協会について」の国際あやとり協会(日本)のホームページからのコピーを手元で読めるようにして親御さんに見てもらったり、「10月の野口廣記念あやとり講習会・あやとり検定」「9月のあやとりグループ展」「あやとりの話」の3種類のチラシも配布しました。
他にも、INAX出版 シシドユキオ、野口廣、マーク・A・シャーマン著の「世界あやとり紀行」、誠文堂新光社 野口とも著の「世界の伝承あやとりシリーズ5冊」の書籍も展示しました。世界には3000種ものあやとりがあると言われているほど多くのあやとりがあることが、少しでも伝わったと思います。
港区立伝統文化交流館のスタッフの皆様、訪れてくださったご家族の皆様、本当にありがとうございました。
報告:吉田仁子@ISFA & 写真提供:青木幸久、吉田仁子@ISFA & 講習会・検定チラシデザイン:加藤直樹@ISFA & グループ展告知チラシデザイン:長谷川浩@ISFA & あやとりの話チラシデザイン:吉田仁子@ISFA