あやとりの構造原理を応用した空間デザインの卒業作品紹介
あやとりをテーマとした大学卒業作品「あやとりパターンを用いた紐の編組による空間構成の提案」(小湊祐奈、宮城大学)が、2025年日本インテリア学会(JASIS)卒業作品展にてWeb公開されました。
JASIS卒業作品展は、日本インテリア学会が1994年から開催している企画で、建築・デザイン・家政・生活・環境など多様な分野の優れた卒業作品が集まる展示会です。その中で「あやとり」を扱った作品が登場したことは、あやとりの造形性や構造性への新たな視点として大変興味深いものです。
本作品では、あやとりの編組原理に着目し、ロープと3Dプリント製アタッチメントを用いて、即時的かつ可変的にあやとり構造を空間に固定する手法が提案されています。さらに、避難所や仮設イベント会場などの利用シーンを想定し、模型によってその活用例が可視化されています。
本作品の制作にあたり、あやとりの分類や過去の事例調査について、協会会員の石野恵一郎、及び加藤がご協力させていただきました。
あやとりの新たな構造的魅力を示した本作品は、異分野への広がりを感じさせるものです。今後もインテリアやデザインとの接点を通じ、あやとりの可能性がさらに広がることが期待されます。
本作品の詳細な制作意図や設計プロセス、模型の写真等につきましては、上記リンク先よりご参照ください。
報告:加藤直樹@ISFA