あやとりにかかわる文芸作品
ここでは、あやとりに関係する文芸作品を紹介しています。
ループ・オブ・ザ・コード
現在のコロナ禍や各地の紛争やテロを思わせるような、〈抹消〉後の近未来での出来事を描く。この中で、主人公が少女に、あやとりの文化的説明と共に「こぶた」などのあやとりを取って見せる場面が出てきます。あやとりの出てくる場面は多くないですが、タイトルのコードが code ではなくて cord であるように、あやとりの輪がストーリーの軸にあるようです。
著者は「世界あやとり紀行」を何度も読み返したそうです。
k16@ISFA 2022/09/04
あやとり
TS
だるまちゃんとやまんめちゃん
加古里子 著 |
こどものとも |
福音館書店 |
2006/07 |
ストーリーには関係ありませんがだるまちゃんがやまんめちゃんと「あやとり」をしています。シリーズの1作目『だるまちゃんとてんぐちゃん』が出版されたのが1967年ですから、今回 (7作目) の刊行までに40年の歳月が流れています。‘本’ を大切にする著者や出版社ならではの息の長い仕事ですね。なお、氏の著作には「あやとり本」の先駆けとなる『日本伝承のあそび読本』もあります。
Ys 2006/07/09
日本国王抹殺
『役行者』・『覇王不比等』など歴史小説に新境地を開いた著者の最新作。「綾取り」については、読者それぞれの感想がおありでしょう。筆者は上手に取り入れていると思います。詳しくは トピックス 141 へ。
Ys 2006/06/24
綾とりで天の川
TS
明かりが消えたそのあとで — 20の怖いお話
マーガレット R. マクドナルド 著;佐藤凉子 訳;出久根育 画 |
編書房 |
2004/04 |
原著:MacDonald, Margaret Read (1988) "When the Lights Go Out : 20 Scary Tales to Tell" The H.W.Wilson Co., NY |
アメリカの著名なストーリーテラーが、子どもたち相手に語りかけて練り上げた「怖いお話」20編。読者が話し手となって語る場合のアドバイスには、長年の経験に裏付けされた著者ならではの説得力があります。
その一編、「トタングアック」の原話は、1920年代にカナダ極北圏のネツリック・イヌイットが伝承していた「あやとり精霊の話」です。語りながらあやとり (「つぶれたテント」=「シベリアの家」) を作って見せるなど、原話にはない巧みなアレンジで ‘面白怖い’ お話に仕上げてあります。〈あやとりの精霊〉については、こちら をご覧下さい。
これまでの調査で、世界各地のあやとりには唄や語りを伴うものが数多くあったことがわかりました。それが本来のあやとりの姿であったようです。日本の伝承あやとりにも、戦前の農村の交換結婚のことを歌った唄や隣町の悪口唄が調査記録に残されています。今日でも、昔から伝承されてきた「あやとりとお話」を語る人々 (アラスカ先住民ユッピク、ニュージーランド先住民マオリなど) や、世界のいろいろなあやとりに新しいお話を付けようと試みている人たち (海外のISFA会員ら) もいます。これからストーリーテラーを目指す人は、子どもたちに興味を持たせる演出として、「あやとり」にも注目されてはいかがでしょうか。この「トタングアック」はそのお手本となる作品といえましょう。
Ys 2007/10/19
指
「あやとり」→「こんがらがる」は、もっともありふれたイメージ連想。それをひとひねり、「こんがらがる」のは「あやとり」ではなく…。
この詩は木村信子さんのサイトに掲載されています。⇒ こちら
Ys 2006/03/19
江戸のおしゃべり
川柳 (ねこまたは…) pp.30-31
トピックス 049
猫のゆりかご
川上弘美 著 |
所収:日本経済新聞夕刊 文化面 |
1999 |
所収:ゆっくりさよならをとなえる
|
新潮社 |
2001 (新潮文庫版 2004) |
新聞連載エッセイの一篇。「小説を書くことに疲れると、取り出して見る本があって、…」(文庫版 pp.76)。その本は『あやとり』(野口広 1973)!
なぜこの本で疲れがとれるのか。その説明が、いかにもこの作家らしくて、とても面白い。それにしても、無味乾燥の〈あやとりの取り方指示文〉をおいしく読む方がおられるとはまったく思いもかけないことでした。
Ys 2006/07/28
あやとりひめ:五色の糸の物語
TS
野ウサギのラララ
舟崎克彦、舟崎靖子 作;舟崎克彦 画 |
理論社 |
1997/07 |
TS
図説・浮世絵に見る江戸の一日
佐藤要人、高橋雅夫 監修;藤原千恵子 編 |
河出書房新社 |
1996/06 |
春信の錦絵 pp.32、川柳 (綾取って錦の…) pp.33
糞袋
「糞舟」の臭い漂う西鶴の句で幕開けとなる都びとの糞尿まみれの物語。人間という ‘生き物’ の本性の一端を描いたこの作品。不快な読後感を与えないのは作者のお人柄でしょうか。作中で「あやとり」がどのように使われているのか?は読んでのお楽しみ。でも、‘糞尿譚’ に嫌悪感をお持ちの方は読まない方が…。
Ys
とりどりのとり
こんな ‘とり’ 知ってる?「しりとり・あまやどり・さとり…」、もちろん「あやとり」もいます。鳥好きの著者が楽しみながら作ったことがそのまま伝わってくる絵本です。
Ys 2006/08/05
あやとりっこ
今江祥智 著:宇野亞喜良 絵 |
所収:飛ぶ教室 (30)
pp.139-142
|
光村図書 |
1989 |
所収:今江祥智の本 第30巻 ラベンダーうさぎ
|
理論社 |
1990/06 |
小学3年生の男の子の淡い恋の物語。あこがれの女の子と二人あやとりを取り合うドキドキ感は作者と同世代の男性には共感できるでしょう。
Ys 2010/12/22
大草原の小さな家
ローラ・インガルス・ワイルダー 著;こだまともこ、渡辺南都子 訳 |
pp.245 |
講談社 |
1988/06 |
Laura Ingalls Wilder (1990) "Little House on the Prairie" pp.204 [原著の刊行は1935年] |
物語の中に、あやとりの場面が登場します。
トピックス 125
山手線のあやとり娘
中井紀夫 著 |
所収:SFアドベンチャー
|
1988/01 |
所収:日本SFの臨界点中井紀夫 : 山の上の交響楽
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早川書房 |
2021/06 |
SF雑誌連載短編集「山手線のあやとり娘」の表題作。電車内でとある女の子との遭遇から奇妙な展開になり、SFらしさのあるオチに繋がる見事なショート作品。「バタフライ」「アパッチの扉」「山の日の出」などのあやとり作品が登場したり、あやとり作品を通じて女の子との関係や物語が展開していくさまはとても興味深い。
加藤直樹@ISFA 2023/08/30
綾取り人〈詩集〉
ジェイムス・フレイザー卿の名著『金枝篇』(1890~1936) には、次の一節があります。
「イグルリクのエスキモー[原文のまま。現在は使われない呼称]は、秋になって太陽が南へまわり、北極の空低く沈んで行くとき、それを糸の網目で捉えて消え行くのを防ぐために綾取り遊びをする。」(永橋卓介 訳、岩波文庫版 (一) 第五章 天候の呪術的調節 pp.183
)。
イグルリク (Igloolik) はカナダ極北圏、バフィン島北部の南方沖の小島。1970年代の調査でも、現地のイヌイットから同様の言い伝えが記録されています。
"太陽が姿を見せる季節は、綾取りが太陽の膝を傷つける恐れがあるので、綾取りをしてはいけない。膝に傷を負った太陽は厚い雲に隠れ、寒い日が長々と続くから" そして、日中でも太陽が昇らず薄明の状態が続く ‘極夜’ の日々、太陽がこのまま永久に姿を消してしまわないように綾取りが行われる。
(Saladin d'Anglure, B. "String Games of the Kangirsujuaq Inuit" 2003 Bulletin of the ISFA 10 : pp.80)
このような「綾取り」の奥深い一面を知る読者は、作者の紡ぎ出す詩の世界、その虚と実の間[はざま]に遊ぶことができましょう。口承神話・伝説の研究者や愛読者諸氏にも気分転換にお勧めします。
Ys 2006/04/23
そらをとんだけいこのあやとり
TS
クモのあやとり
平塚ウタ子 著;宮下佐奈美 絵;後藤楢根 編 |
所収:童話 #351
pp.21-29
|
日本童話会 |
1982 |
あやとりからクモの巣を連想することは、以前はふつうのことでした。しかし、クモは毛嫌いする人が多く、また、強力殺虫剤の使用でクモを見る機会がほとんどなくなりました。子どもの頃にクモが草木の枝に巧みに巣を張るのをずっと見つめていた経験のある人には、親しみの感じられる作品といえましょう。ついでながら、クモの好きな人には、この本がオススメです — 『クモの網 — What a Wonderful Web! (INAX BOOKLET)』。
Ys 2010/12/22
あやとりのすきなまいちゃん
山田正志 著 |
所収:子どもの館 8巻9号 (88)
pp.50-66 |
福音館書店 |
1980 |
あやとり谷の森も川もすべて ‘まじょ’ があやとりで生み出した…。この物語で展開される壮大なあやとりのイメージ、コミカルなコブタたちの動きは、アニメで表現すると面白いのではないでしょうか。
Ys 2010/12/22
猫のゆりかご
カート・ヴォネガット・Jr 著;伊藤典夫 訳 |
早川書房 |
1979/07 |
原著: Kurt Vonnegut, Jr. (1963) "Cat's Cradle" |
夜明け
山本沖子 著 |
所収:朝のいのり
|
文化出版局 |
1979 |
二人の子供の可愛い姿が目に浮かぶ。
(情報提供いただいた〈K美術館〉さんに感謝)
Ys 2013/11/27
愛のゆくえ
詩『あやとり』
「愛しても 愛されないのに・・・」と愛がこんがらがる様子を詠っている。
(情報提供いただいた〈K美術館〉さんに感謝)
加藤直樹@ISFA 2023/05/31
青い糸
安房直子 著;赤星亮衛 装画 |
所収:童話集 銀のくじゃく 書き下ろし作品
|
筑摩書房 |
1975 |
優れた作品は読者にさまざまな ‘読み’ を許します。筆者は、この儚く美しいメルヘンを「あやとり」の魅力/魔力を描いた稀有な作品として味わいました。
「一人で取るあやとり」には作り手に働きかけるアンビバレンスな力があることを知っている「圭子」。それは作者自身でもありましょう。1973年に世界のあやとりを紹介した本が注目を集め、ちょっとしたあやとりブームになりました。それはこの作品が書き下ろされた時期でもあります。作者の「あやとり」に対する繊細にして鋭い感性とその理解の深さは、幼少の頃の自らの体験に根差しているのでしょうか?それとも大人になってからあやとり世界の奥深さを知って一気にその本質を感得したのでしょうか?残念ながら、作者はすでに亡くそれを知るすべもありません。
「青い糸」は ‘あやとりとは何か’ を考える上で欠かせない作品と言えましょう。2004年に刊行された 安房直子コレクション 6巻『世界の果ての国へ』(偕成社) に収録されています。
Ys 2006/02/02
文取り (綾取り)
前田喜代人 著;佐藤要人 編 |
所収:川柳/江戸の遊び (国文学解釈と鑑賞 519)
|
至文堂 |
1975/12 |
表紙写真「二人綾取り」 |
川柳 (ねこまたは…、他五句) pp.282-283
トピックス 049
ハネつきとあやとり
早船ちよ 著;久保喬 編 |
所収:おはなし日本2 あそびとわらべうた
pp.127-134 |
盛光社 |
1967 |
お正月が近づき、羽子板を飾り、二人あやとりを歌いながら取り合う姉妹。昭和30年代にはさほど珍しくもなかったこのような情景も、今は知る人も少なくなってきました。作者の代表作は『キューポラのある街』。飛騨市郷土民芸会館に「早船ちよ館」があります → こちら。
Ys 2010/12/22
あやとり (新童謡)
さとうよしみ 著 |
所収:ふるさと日本 2年生
pp.112-113、155 |
実業之日本社 |
1957 |
この歌詞から、当時は「いととり」があやとりの呼び名として広く通用していたことがうかがえる。
Ys 2010/12/22
綾とりをする少女
竹久夢二 著 |
所収:夢のふるさと
|
新潮社 |
1919 大正八年 |
復刻本 |
所収:竹久夢二文学館
第2巻 — 詩集Ⅱ
|
日本図書センター |
1993 |
この詩は《J-TEXTS 日本文学電子図書館》で公開されています → 近代文学作家作品 ◎竹久夢二 (20詩歌集) → 『夢のふるさと』。リンク先のJ-TEXTSは存在していません
詩の一節「ぺんぺん ことかいな」は夢二が旅先で聞いた伝承のあやとり遊び唄 → 『あやとりかけとり:日本童謡集』に収録されている。
Ys 2006/05/27
諸艶大鑑 (好色二代男) (全八巻)
井原西鶴 |
第二巻 |
池田屋三良右衛門 参河屋久兵衛 板 |
貞享元年 1684 |
復刻本
|
横山重 校訂 |
岩波文庫 |
1958, 1999 |
あやとり遊びの名称が pp.92 にある
好色一代男 (全八巻)
井原西鶴 |
第五巻 |
荒砥屋孫兵衛可心 板 |
1682 天和二年 |
復刻本
|
校訂:横山重 |
岩波文庫 |
1955, 1999 |
あやとり遊びの名称が pp.144 にある
聊斎志異 (りょうさいしい) — 巻七 梅女
完訳 聊斎志異 二
俳句・川柳・短歌
- 「風の手の 糸とりとなる 柳かな」俊安
トピックス 054
所収:小町躍 全六冊 春上 (第一冊) |
野々口親重 (立圃) 編著 |
1665 寛文五年 |
影印本 [赤木文庫蔵本] |
所収:小町踊 上・下〈近世文学資料類従 古俳諧編 2,3〉上 pp.88 |
近世文学書誌研究会編 森川昭 解説 |
勉誠社 |
1972 |
- 「御さいの子 もへぎの紐て あやを取」作者未詳
所収:誹風柳多留 二編二二 |
宝暦十三年 (1763) 作 |
明和四年 (1767) 刊 |
所収:誹風柳多留 (1-5 拾遺 上・下 寛政八年刊) (1) pp.77 |
(山沢英雄 校訂) |
岩波文庫 3967-68 |
1950 |
所収:川柳/江戸の遊び pp.283 |
前田喜代人 著 |
- 「糸とりは 小娘達の はた遊び」作者未詳
所収:雑俳・重ね扇 |
編者未詳 |
安永二年 (1773) 刊? |
所収:日本国語大辞典 vol.1「いととり」pp.270 |
小学館 |
1976 |
- 「取はづし して新造 しかられる」作者未詳
所収:柳筥 一篇六 |
天明三~六年 (1783-6) 刊 |
所収:初代 川柳選句集 (下) pp.11 |
千葉治 校訂 |
岩波文庫 |
1977 |
所収:川柳/江戸の遊び pp.283 |
前田喜代人 著 |
- 「遣り手が綾 いく度取っても 猫俣」作者未詳
所収:新編 川柳大辞典 |
粕谷宏雄 編 |
東京堂出版 |
1995 |
- 「手の先で 知恵を織出す 綾の糸」作者未詳
所収:新編 川柳大辞典 |
粕谷宏雄 編 |
東京堂出版 |
1995 |
- 「綾取で 能く織上げた かきつばた」作者未詳
所収:新編 川柳大辞典 |
粕谷宏雄 編 |
東京堂出版 |
1995 |
- 「綾取って 錦の帯の 橋を掛」作者未詳
所収:川柳/江戸の遊び pp.283 |
前田喜代人 著 |
所収:新編 川柳大辞典 |
粕谷宏雄 編 |
東京堂出版 |
1995 |
- 「ねこまたはどれゞゝゞゝと姉がとり」作者未詳
トピックス 049
所収:誹風柳多留 拾遺二篇十三 |
寛政八年 (1796) 刊 |
所収:川柳/江戸の遊び pp.282 |
前田喜代人 著 |
- 「女らが あやとり習う 唐にしき」東烏 (鳥?)
所収:日本国語大辞典 vol.1「あやとり」pp.452 |
小学館 |
1976 |
所収:川柳/江戸の遊び pp.283 |
前田喜代人 著 |
- 「あやとりのやうにこころをからませて一組のこの男女は沈む」岡井隆
情報提供者の ‘K美術館' さんに感謝 Ys 2012/11/12
- 「綾とりに取れぬ山川魚小鳥人の思ひもわれもさびしも」馬場あき子
黙読していると、馬場さんのお声が聞こえてくる。ハル~スラリ~シットリ~シヅメ — 上手の謡を聴くような心地よさ。
馬場あき子さん主宰「歌林の会」のホームページ → 《かりん》
掲載を許可していただいた馬場あき子さん、情報提供者の ‘K美術館' さんに感謝 Ys 2006/03/19
- 「母と娘のあやとり続くを見ておりぬ「川」から「川」へめぐるやさしさ」俵万智
小学生の頃、「川」から「川」へ取り上げると相手の子が口をとんがらせて「なァーんやー」と言ったのを思い出しました。
俵万智さんのオフィシャルサイト → 《俵万智のチョコレートBOX》
掲載を許可していただいた俵万智さん、情報提供者の ‘K美術館' さんに感謝 Ys 2006/03/18
- 「子のゆめのこぼれにほへる子の部屋にあやとりあそぶ母われひとり」桜丘瑛子
所収:現代短歌分類辞典 36巻 pp.1 |
津端修、津端幸子 編纂 |
1974 |
所収:現代短歌分類辞典 36巻 pp.1 |
現代短歌分類辞典刊行所 |
1994/03 |
TS 2010/12/22
- 「雁渡るあやとりの梯子は消え」寺山修司
「悪霊を呼ぶあやとりの月を成し」寺山修司
所収:花粉航海 |
ハルキ文庫、角川春樹事務所 |
2000 |
原著:深夜叢書社 1975 |
自選代表句集、大半は青森高校時代の作。「あやとり」から喚起される心の深層のスピリチュアルなイメージ。それは長らく綾取りを伝承してきた〈無文字社会〉の人々の心象世界と相通じているようです。それを言葉の作品として表現し得た稀有な現代人がここに一人。
情報提供者の ‘K美術館' さんに感謝 Ys 2015/01/16
- 「綾取りや小鳥殺しの春の雪」中村苑子
「小鳥殺し」とは、春の彼岸頃に降る雪のことです。暖かくなってきたところに、急に寒さがぶりかえす、そういうことでしょう。平明な句として解釈すると、早春に厳しい寒の戻りとなった雪の日、閉じこもりあやとりをしている情景ということでしょうか。しかし、綾取りという穏やかなものと、この「小鳥殺し」というおどろおどろしい表現との対比、さらに季語自体でも、「冬 (あやとり)」と「春」という対比。穏やかな日常のなかにもある厳しさを感じます。この句によって、「小鳥殺し」という表現をはじめて知りました。
情報提供者の ‘K美術館' さんに感謝 TS 2008/02/03
- 「あやとりが 絡まり二人 近くなり」銀ちゃん
『すまいる川柳 土曜午後の句会』投稿句 |
2004/08 |
作者の許可を得て掲載