あやとりトピックス 241-250
斎藤たま氏収録音源・あやとり唄公開 2023/09/15
斎藤たま氏が日本の民俗文化を調査・研究し、当協会会員の協力のもと、調査内容の中から「あやとり」に関する記録をまとめ、協会の会誌として出版されたこと、また会誌の原稿資料となっていると思われる調査カードは東京文化財研究所(以下、東文研の記します)が所有されていることについて、すでにトピックス229で述べました。
その協会の会誌「BISFA Vol.11」及び日本語版「BISFA Vol.11 Japanese edition」には、唄いながらあやとりで遊ぶ伝承作品がいくつか収録されていますが、記録されているのは作品の作り方と歌詞のみになります。
しかしその中の「ぶんぶく茶釜」と「糸引けブンブン」の作品について、当協会が保有する資料から、斎藤たま氏ご本人が唄っている音声データが見つかりました。またその音声データには、斎藤たま著「野にあそぶ」(1974) 平凡社、「野にあそぶ 自然の中の子ども」(2000) 平凡社に収録されている遊び唄も記録されていました。
そして当協会会員であった宍戸行夫氏が斎藤たま氏に依頼し、たま氏ご自身が録音された音源であること、その音源をネットで公開する予定であったことも当協会保有資料から判明しました。
この音声データの扱いについて、斎藤たま氏の調査カードを保有し、その内容をデータベース化・ネット公開されている東文研にご相談したところ、東文研が動画に編集し、ネットに公開してくださることになりました。
その動画が今月14日に「東文研Youtube公式チャンネル」にて公開されました。この動画は東文研の「斎藤たま 資料集成」サイトのリンクからご覧になることもできます。
あやとり唄は、動画後半の5:32と6:21辺りから流れます。実際にどんな間合いや声の張り方かが分かり、まさに「百読は一聞に如かず」でした。
この貴重な音源を動画編集・公開していただいた東京文化財研究所様に、この場をお借りして感謝申し上げます。
加藤直樹@ISFA
宮崎市にてあやとりサークル「TEAM AYATORI」設立 2023/08/22
成松高嗣君(現在小学3年生で今月上旬からISFA会員)が、今年の2023年5月に開催されたあやとり検定にて「あやとり教室指導員」の資格を取得されたことについて、先日トピックス235でお伝えしました。
その高嗣君が2023年7月1日に宮崎市にて、あやとりの普及活動を行う「Team Ayatori」というサークルを設立されました。活動内容としては、子ども向けのあやとり教室を開催したり、小学生の児童クラブや子ども食堂、公共施設にてボランティアであやとりを教えているとのことで、高嗣君が主催となってイベント活動を行い、あやとり検定初級を取得した弟の知嗣君も一緒に活動を行なっているようです。
サークル公式サイトで詳しく活動報告内容が掲載されておりますが、今月8月10日(木)には、子ども食堂のイベントに参加した子どもたちに、バナナや扇子、つづみなどのあやとり作品を教えるイベントを行なったそうです。
当日の活動の様子
このように、あやとり教室指導員資格の取得者がサークルを設立され、参加者にあやとりの楽しさや魅力を伝える姿を拝見でき嬉しく思います。
高嗣君や知嗣君の熱意によって、あやとりが次世代に継承されていくことは当協会にとって大きな喜びです。
報告:加藤直樹@ISFA & 情報・写真提供:中武英則@ISFA
港区立伝統文化交流館のあつまれ!あやとりひろば 2023/08/15
2023年8月12日(土)、港区立伝統文化交流館で「あつまれ!あやとりひろば」と題して、あやとり会が行われました。
時間は午前の部10:30〜12:00、午後の部13:30〜15:00でした。
日頃は情報コーナーになっている和室(12畳)が「あやとりひろば」の会場です。
教えたあやとりの内容は、基本以下の4つです。
「お星さま」「ぱんぱんほうき」「コインおとし」「バナナ」
イベントで教えたあやとり作品
この他に、臨機応変に、何を教えても良いことにしました。
講師は、国際あやとり協会(日本)会員を含む、伊藤ひで、服部知明、吉井よし子、奥野ふみ、吉田仁子の5名でスタートしました。
途中から、青木萬里子、福田恵美、杉林武典、の3名が応援に駆けつけ、計8名の講師陣になりました。(青木幸久は写真を撮って記録してくれました。)
最初から大勢の親子連れが訪れ、部屋はいつも満員状態になりました。当初は講師を交替性で対応しようと思っておりましたが、常に親子連れが訪れ、全員で対応に追われました。大勢の講師がいてくれたおかげで、その子に寄り添った丁寧な対応ができたと思います。
はじめの構えもままならない子どもや親御さんが、だんだんとあやとりを自分のものにし、習得していく様は感動的でした。
中には、いきなり「耳の大きな犬」を教えてと言ってきた年長の男の子がいました。これには、野口廣記念あやとり講習会 & あやとり検定の上級講師をしている服部知明さんが対応し、たくさんの上級あやとりを教えていました。
初心者も熟練者も、講師とご家族が一体となって終日楽しく過ごしました。
イベントの様子1
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イベントの様子2
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なお、今回はあやとりの展示も少し行いました。
あやとり作品展示の様子
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展示していたあやとり作品(世界のあやとり)
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展示していたあやとり作品(創作あやとり)
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また、「あやとりについて」や「国際あやとり協会について」の国際あやとり協会(日本)のホームページからのコピーを手元で読めるようにして親御さんに見てもらったり、「10月の野口廣記念あやとり講習会・あやとり検定」「9月のあやとりグループ展」「あやとりの話」の3種類のチラシも配布しました。
10月開催の野口廣記念あやとり講習会・あやとり検定告知チラシ ※クリックすると拡大します
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9月開催のあやとりグループ展の告知チラシ ※クリックすると拡大します
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「あやとりの話」のチラシ ※クリックすると拡大します
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他にも、INAX出版 シシドユキオ、野口廣、マーク・A・シャーマン著の「世界あやとり紀行」、誠文堂新光社 野口とも著の「世界の伝承あやとりシリーズ5冊」の書籍も展示しました。世界には3000種ものあやとりがあると言われているほど多くのあやとりがあることが、少しでも伝わったと思います。
港区立伝統文化交流館のスタッフの皆様、訪れてくださったご家族の皆様、本当にありがとうございました。
報告:吉田仁子@ISFA & 写真提供:青木幸久、吉田仁子@ISFA & 講習会・検定チラシデザイン:加藤直樹@ISFA & グループ展告知チラシデザイン:長谷川浩@ISFA & あやとりの話チラシデザイン:吉田仁子@ISFA