☆☆☆☆ひとりあやとり


日本のあやとりです。
ふたりで交互に取るあやとりをひとりで循環させるあやとりは、日本独特のもののようです。ふたりあやとりに現れる蛙(魚)のパタンは出現しません。それぞれのパタンの呼び名は各地でさまざまです。わたしは、網は田んぼまたは畑、鼓はぶんぶく茶釜、船は橋または鉄橋、吊り橋は便所、蛙は魚、と呼んでいました。取り方には各地でいろいろな変化があります。
網
  1. 中指の構え。(人差指の構えでもよい)
  2. 親指以外の指を親指の輪の中に上から入れ、親指手前の糸を取り親指の糸を外す。(返し取り)
  3. 小指以外の指を小指の輪の中に上から入れ、小指向こうの糸を取り小指の糸を外す。(小指側で返し取り)
  4. 親指で中指(人差指)手前の糸を取り、中指(人差指)の糸を外す。
  5. 小指薬指中指を糸から外し、手首の2本の糸を中指と人差指の間に移す。— 網
  6. 川
    左手を糸から外す。
  7. 左手の親指と人差指で下から右手の親指と人差指の輪を取る。— 川
  8. 小指で上から親指向こうの糸を取る 。(または、小指を下から人差指の輪の中に入れ、親指向こうの糸と人差指向こうの2本の糸を取る)
  9. 親指の糸を外す。
  10. 親指で手前の水平の糸を取り、上から小指手前の糸を取る。
  11. 小指の糸を外す。
  12. 人差指で人差指手前の糸を掌に押さえ、人差指の背の2本の糸を滑り落とす。
  13. 人差指で親指向こうの水平に走る糸を取る。— 網
  14. 馬の目
    小指を下から人差指の輪の中に入れ、小指の背で人差指向こうの斜めに走る糸を取る。
  15. 小指の背で上から親指向こうの糸を取る。
  16. 親指の糸を外す。— 馬の目
  17. 鼓
    親指を下から小指の輪の中に入れる。
  18. 親指と人差指の先を合わせ、上から中央菱形の中に入れ、手前から上に回して指先を開き、小指をそっと外す。垂れている糸が離れ離れにならないように注意。
  19. 中央の下に垂れている糸を小指で取る。— 鼓
  20. 親指で人差指手前の糸を、人差指で親指向こうの糸を取る。— 船
  21. 吊り橋
    親指人差指の背の糸を手首に落とす。— 吊り橋
  22. 親指で小指手前の糸を取る。
  23. 中指(人差指)で掌の糸を取り合う。(右手から)
  24. 手首の糸を外す。
  25. 2 に戻る。

わたしが子供の頃習った取り方。(夷隅)

  1. 手首に糸をかける。
  2. 手前の糸をつまんで手首に一回りさせる。
  3. 右親指で左手首の糸を取る。
  4. 左親指で右手首の糸を取る。
  5. 右親指の背で向こう上から左親指手前の糸を取る。
  6. 左親指の背で向こう上から右親指手前の糸を取る。
  7. 手首の2本の糸を中指と人差指の間に移す。— 網
  8. 6~21 まで「ひとりあやとり」と同じ。
  9. 小指の糸を親指に移す。
  10. 5 に戻る。
ひとりあやとりあやとりいととり 3 — p.10[103]
つづみ(ぶんぶくちゃがま)アンパンマンとあそぼう あやとり — p.58[106]
つづみわかりやすい あやとり百科 — p.136[107]
Solo Cat's CradleString Figure Magazine Vol.5, Sep p.17[115]
HITORI AYATORIAyatori: The Traditional String Figures of Japan : 1970-99 — p.80[116]
ひとりあやとりあやとり: 日本の伝承あやとり : 1970-99 — p.69[117]
ひとりあやとり国際あやとり協会 Web[121]