☆☆☆あひるの締め罠を投げる男


あひるの締め罠を投げる男
イヌイットのあやとりです。
D. Jenness 氏がシベリアのインディアンポイント(Indian Point)で採集しました。 ここでの罠は、長いあざらし皮の紐の先端にクジラの骨でできた締め罠が結ばれたものです。 あひるがそれを見に来たとき、猟師が引っ張ると足が罠に引っかかる仕掛けです。 このあやとりは、コロコロッカ(Qoloqolokka)という男があひるの罠を水の上に投げる様を表しています。左に立っているのが彼です。 [34]
原著では「白鳥」の操作を左右対称に行なっています。
  1. 白鳥」の1~11を取る。
    1. 始めの構え。
    2. 右親指で小指向こうの糸を向こうから取る。
    3. 左親指で右小指向こうの糸を手前から取る。
    4. 小指で親指向こうの糸を取る。
    5. 小指向こうの水平にかかる糸を小指から外す。
    6. 小指腹で親指向こうの糸を押さえる。(小指の糸は滑り落ちる)
    7. 親指から中央に向かう輪の中に、上から人差指を入れ、人差指で親指手前の水平にかかる糸を上から向こうへひねって取る。
    8. 親指の糸を外す。
    9. 親指で中央の交差している2本の糸を取る。
    10. 親指で人差指手前の糸を取り、2本の糸をナバホ取りする。
    11. 人差指の糸を外す。
  2. 右人差指を中央の2本の糸と人差指手前の糸の間に、右中指を中央の2本の糸と小指向こうの糸の間にそれぞれ向こうから入れる。
  3. 右親指と右小指の糸を外す。
  4. 右中指を右人差指の輪の中に指元側から入れ、元の右中指の糸を外す。(ナバホ取りのように)
  5. 右人差指の糸をそっと外し、右人差指をその輪に反対側から入れる。
  6. 右中指の糸を右小指に移す。
  7. 左親指の糸を左人差指に移す。
  8. 右親指で中央の水平の2本の糸を上から手前へひねって取る。
  9. 左親指で右親指手前の2本の糸を右親指の近くで取る。
  10. 親指で人差指手前の糸を取り、2本の糸をナバホ取りする。
  11. 右人差指の糸を外す。
  12. 左親指の糸を外して左右に引く。— 罠が右に投げられる
A Man Throwing a Duck-nooseEskimo String Figures p.161[34]
A Man Throwing a Duck NooseEskimo String Figures : 1924 Jenness — p.234[143-16]