あひる・首吊り男

チュクチ族（Chukchi）のあやとりです。

A. E. Hodder 氏が「あひる」として採集しました。オリジナルの取り方は「白鳥」の4～8が少し異なっています。[30]

チュクチ族はシベリア北東端に住む先住民です。

D. Jenness 氏がアラスカのインディアンポイント（Indian Point）とインランド（Inland）で「首吊り男」として採集しました。[34]

「白鳥」の1～13を取る。
1. 始めの構え。
2. 右親指で小指向こうの糸を向こうから取る。
3. 左親指で右小指向こうの糸を手前から取る。
4. 小指で親指向こうの糸を取る。
5. 小指向こうの水平にかかる糸を小指から外す。
6. 小指腹で親指向こうの糸を押さえる。（小指の糸は滑り落ちる）
7. 親指から中央に向かう輪の中に、上から人差指を入れ、人差指で親指手前の水平にかかる糸を上から向こうへひねって取る。
8. 親指の糸を外す。
9. 親指で中央の交差している２本の糸を取る。
10. 親指で人差指手前の糸を取り、２本の糸をナバホ取りする。
11. 人差指の糸を外す。
12. 中央の交差の左右の輪の中に、上から人差指を入れ、人差指で親指手前の水平にかかる糸を上から向こうへひねって取る。
13. 親指の糸を外す。
左親指で図形左中央の２本の斜めの糸を上から下へとひねって取る。
右親指を左親指の根元から輪の中に入れて左右に引く。
親指で人差指手前の糸を取り、２本の糸をナバホ取りする。
人差指の糸を外す。
左中指を左人差指に添え、中央菱形の上部に向こうから入れ、小指向こうの糸を中央付近でつまんで、左親指の輪の中から手前に出す。
右小指の糸をそっと外し、左中指の先からつまんでいる輪の中に入れて小指腹で取る。
左人差指と左中指を放して、左右に引く。— あひる
左小指の糸を外し、左小指で左親指向こうの糸を押さえて左右に引く。— 死んだあひるの頭が持ち上げられる

The Duck (Welchu)	Proceedings of the Royal Institution of Great Britain — W. W. R. Ball 1920 p.98	[30]
A Man Hanging by the Neck	Eskimo String Figures — D. Jenness 1924 p.158	[34]
Puffin (kila'ŋax)	Social Customs of the Nunivak Eskimo — M. Lantis 1946 p.217	[67]
The Dog Hung up by the Neck	Eskimo String Figures and Their Origin — T. T. Paterson 1949 p.35	[69]
kila'ɳax (the puffin)	Eskimo String Figures and Their Origin — T. T. Paterson 1949 p.47	[69]
首つり男	図形工房 — 野口広編 1980 p.146	[104]
A Man Hanging by the Neck	Eskimo String Figures : 1924 Jenness — W. Wirt, J. D'Antoni, etc. (BISFA 16) 2009 p.230	[141-16]

☆☆☆あひる・首吊り男