おもちゃの唇飾り・トタングアク


おもちゃの唇飾り・トタングアク
イヌイットのあやとりです。
19世紀末から始められた極北圏の調査で、このあやとりは、アラスカ、カナダからグリーンランドまで広く知られていました。呼び名は様々ですが、「できる限り素早く作る」という伝承は各地で共通しています。 「おもちゃの唇飾り」は、古代のイヌイットが顎の両側に着けていた象牙などで作られた唇飾りに由来しています。唇飾りが知られていないペリー湾岸の人々は、このあやとりを「トタングアク(tûtanguaq)」と呼んでいました。トタングアクはあやとりの精霊です。トタングアクは、あやとり遊びに夢中になっている人間の命を奪い去る怖い精霊と考えられていました。トタングアクを追い払うためには、できる限り素早くあやとりを完成させなければなりません。 また、極夜の季節以外にあやとりをすることはタブーとされていました。タブーを破ると怖い精霊がやって来るのです。 [32][75]
このあやとりに関する詳しい解説は、あやとりの精霊「トタングアック」 を参照してください。
  1. 人差指の構え。
  2. 親指の背で下から小指向こうの糸を取り、そのまま親指腹で小指手前の糸を押さえ、親指を向こうから下へと回して小指手前の糸を取る。
  3. 人差指の糸を外す。

アラスカでは続けて次を行なう。[32][131-9]

  1. 人差指を親指の輪の中に上から入れ、親指手前の水平に走る糸を取り、親指の糸を外す。
The Toy LabretsEskimo String Figures p.33[32]
atoqät (atokrèt)Jeux d'Enfants et d'Adultes chez les Eskimo d'Angmagssalik p.43[57]
TutäŋuvitEskimo String Figures and Their Origin p.32[66]
Tûtanguarjûk (Les deux labrets)Les Jeux de Ficelle des Arviligjuarmiut p.99[75]
tûtánguit (Labrettes)String Figures from West Greenland p.218[86]
二つのおもちゃの口びる飾りあやとり(大陸) p.49[95]
Walking Sticks of an Old WomanKwakiutl String Figures p.84[108]
LabretsYup'ik String Figures p.216[131-9]
tuutarjunk (Two Labrets)String Games of the Kangirsujuaq Inuit : 1966 — p.147[131-10]
The Toy LabretsEskimo String Figures : 1924 — p.41[131-16]
Walking Sticks of an Old WomanInternational String Figure Association Web[135]