Last updated: 2025/04/12

あやとりトピックス 261-270

ダイヤモンドを1個ずつ増やしたり減らしたりする方法(マヌジエの槍の応用) 2025/04/20

「マヌジエの槍」はナウルの美しいあやとりで、ダイヤモンドが2個ずつ増える繰り返しの操作があります。 ここでは、それを応用した1個ずつダイヤモンドを増やす方法を紹介します。 これを簡単に文章にすると、「マヌジエの槍のとり方をその1、その2に分けて、交互に行うと1個ずつダイヤモンドが増える」と言うことになります。 マヌジエの槍の2個ずつ増える操作を分けたら1個ずつ増やすことができるのですから、その面白さを皆様にも味わって欲しいと思いました。(「マヌジエの槍」の完成形は オセアニアのあやとり 2 の表紙を見てください)

まず、定型操作を定義しておきます。

マヌジエの槍その1

  1. 右親指と右小指の糸を内側へ一回転ひねる。

マヌジエの槍その2

  1. 右親指で右小指手前の糸を取る。
  2. 右人差指で右親指向こうの糸を取り、右親指の糸を外す。
  3. 右人差指の糸を右親指に移す。
  4. 右小指で右親指向こうの糸を取る。
  5. 右人差指で右小指手前の糸を取り、右小指の糸を外す。
  6. 右人差指の糸を右小指に移す。

カロリン展開へ整える

  1. 人差指で親指手前の糸を取り、親指の糸を外す。
  2. 親指で下から小指手前の糸と人差指手前の糸を取り、人差指の糸を外す。
  3. 人差指で親指向こうの糸を取り、親指でその人差指で取った糸を人差指に押し付けながら掌を向こうへ向けて展開する。

カロリン展開前の状態に戻す

  1. 親指の糸を外す。
  2. 親指で人差指向こうの糸を取り、人差指の糸を外す。

ダイヤ0個から始めて、1個ずつダイヤを増やしていきます。

ダイヤ0個

  1. 人差指の構え。
  2. 小指の糸を外す。
  3. 人差指の糸を小指に移す。
  4. カロリン展開へ整える。

ダイヤ1個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。

これでダイヤが1個できました。

ダイヤ2個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その2。
  3. カロリン展開へ整える。

これでダイヤが2個できました。

ダイヤ3個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。

ダイヤ4個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その2。
  3. カロリン展開へ整える。

ダイヤ5個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。

このように「マヌジエの槍その1」「マヌジエの槍その2」を交互に繰り返すことによって、無限に1個ずつダイヤを増やすことができます。 ここでは「マヌジエの槍その1」から始めましたが、「マヌジエの槍その2」から始めて交互に繰り返しても、同様にダイヤを1個ずつ増やすことができます。 左手で操作すれば、左側にも増やすことができます。

これを裏返して同じことを繰り返すと、1個ずつダイヤを減らすことができます。 ダイヤ4個から減らしてみましょう。

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. 糸を前後に裏返して持ち替える。(元の親指の輪を小指に、元の小指の輪を親指に)
  3. マヌジエの槍その2。
  4. カロリン展開へ整える。

ダイヤが3個になりました。

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。

ダイヤが2個になりました。 以降続けていって、ダイヤが0個になると、また増えていきます。

また、次は2本の紐を親指小指にそれぞれかけた状態から、上記の手順で取ったものです。2色の紐を使うと、交互に色がきれいに出ます。(2本の紐を使うのは長谷川浩氏の発案)

最後に、これからお話することは、あくまで私の憶測に過ぎません。 「マヌジエの槍」はあまりにも素晴らしいので、「マヌジエの槍」自体が後世に残り、あとの、このような細かいことは、忘れ去られたのではないでしょうか。 改めてナウルの人々に感服する次第です。

吉田仁子@ISFA

第35回野口廣記念あやとり講習会・検定報告 2025/04/12

2025年3月29日(土)に東京代々木のオリンピック記念青少年総合センターにて「第35回野口廣記念あやとり講習会・検定」が開催されました。

この日は残念ながら小雨交じりの肌寒い日となりましたが、会場となる3階の教室の大きな窓からは満開の桜が見事でした。

欠席者は1名のみ、今回も全国各地から多くの方がお集り下さり、盛会でした。

講習会は司会者の挨拶の後、各指導員がそれぞれ指導するあやとりの実演を行いました。

初級は5人の先生によって「カニ・納豆・女の子」「菊水」「ぱんぱんほうき」「ふじさん」「1段ばしご、2段ばしご」「3段ばしご」「4段ばしご」「5段ばしご」「6段ばしご」「ねずみの顔」「シベリアの家」「ハワイのさかな」「鳥の巣」などが取り上げられました。

指導員による実演会
初級(菊水)

中級も5人の先生によって「かもめ」「テントの幕」「たくさんの星」「火山」「さんご」「カヌー・たつまき」「2匹の子鹿」「ナバホの蝶」等が取り上げられました。

中級(テントの幕)
中級(2匹の子鹿)

上級は4人の先生によって「白鳥」「三つの星」「つがいのライチョウ」「キツネとクジラ」など最も難しいとされるあやとりが取り上げられました。

上級(つがいのライチョウ)
上級(キツネとクジラ)

指導員の実演会の後、参加者はそれぞれ覚えたいあやとりの先生の所に集まって講習会が始まりました。

講習会風景
初級クラス「カニ・納豆・女の子」
初級クラス「菊水」完成
中級クラス「かもめ」に挑戦
講習会風景2
中級クラス「さんご」
上級クラス「白鳥」指導
上級クラス「三つの星」
上級クラス「キツネとクジラ」
上級クラス「キツネとクジラ」完成

講習会は午後3時までで終了です。

あやとり検定は講習会と同じ会場で午後3:20から開始しました。

中央のAとBの2列が検定席、受験者は受験票に書かれているA又はBに従って、窓際のA席、又は廊下側のB席で名前をよばれるまで待機します。

検定には1日に1人10回までという上限があります。「あやとり教室指導員」の資格を取得するには初級2回(6種)、中級3回(6種)、上級5回(5種)を受験し、計10回で合格すれば取得できます。

資格を取得希望の場合は事前に申請書の提出が必要です。今回は11名の方が「あやとり教室指導員」に応募されました。

全員の写真を掲載することは出来ませんでしたが、大人3人小学生8人でした。

「あやとり教室指導員」の資格取得者1
「あやとり教室指導員」の資格取得者2
「あやとり教室指導員」の資格取得者3
「あやとり教室指導員」の資格取得者4
「あやとり教室指導員」の資格取得者5

第33回あやとり検定から始めて導入されたあやとりマスタースタンプカードの導入により、初級あやとり全種目をマスターしたら「初級あやとりマスター」、中級あやとり全種目をマスターしたら「中級あやとりマスター」、上級あやとり全部をマスターしたら「上級あやとりマスター」の称号と賞状が与えられる事になりました。更にこれら3つの称号をマスターした場合には「あやとり検定グランドマスター」の称号と賞状、それに特製バッジが与えられる事になりました。

今回を含め、これまでの検定で初級あやとりマスターを取得した人は、7人でそのうち小学生は3人です。中級あやとりマスターを取得した人は、8人で小学生は3人です。上級あやとりマスターを取得した人は7人で小学生は3人です。すでに2枚のあやとりマスターの賞状を持っていて、次回はグランドマスターをとりたいと頑張っている人たちも何人かいます。

初級あやとりマスター1
初級あやとりマスター2
初級あやとりマスター3
初級あやとりマスター4
中級あやとりマスター
中級、上級あやとりマスター1
中級、上級あやとりマスター2
中級、上級あやとりマスター3
中級、上級あやとりマスター4

更にあやとりグランドマスターを取得した人は、2年前に取得した服部先生と今回取得した小学生2人で計3人となりました。

あやとり検定グランドマスター取得1
あやとり検定グランドマスターの3名
あやとり検定グランドマスター取得2
満開の桜をバックに 第35回野口廣記念あやとり講習会・検定スタッフ

たった 1 本のひもで育脳、脳活性できるあやとりの楽しさ、奥深さを多くの方が体験されますように。

次の開催は2025年7月26日(土)を予定しています。

5月1日から「第36回野口廣記念あやとり講習会・検定のお知らせ」をホームページに公開。

参加のお申し込みは6月1日~6月30日の間にホームページより申し込む。締切日厳守。

報告:野口廣記念あやとり講習会・検定 世話人 野口とも@ISFA & 写真提供:青木幸久、嶋津香、竹原庸光

港区立伝統文化交流館で昔遊び その4 2025/03/17

港区で行われた「みなとパーク芝浦フェスティバル」の一環として、港区立伝統文化交流館で「昔遊びの会」がありました。

「たま川お手玉の会」では、「昔遊びの会」としてお手玉と折り紙とあやとりをやりました。(折り紙とお手玉も大勢の人でにぎわいましたが、ここではあやとりの報告に留めます。)

国際あやとり協会(日本)の有志はあやとりで協力しました。

日本の伝承あやとり「はたおり」とナバホ(ネイティブ・アメリカン)の伝承あやとり「テントの幕」を教えました。とり方のチラシを作り、帰ってからも楽しめる様にしました。「はたおり」は動きが面白く、楽しんでいました。はじめて「テントの幕」をとった女の子(小学2年生)は、とても嬉しそうでした。

また、当人のあやとりの技量に合わせて、易しいものから、高度なものまで、教えることが出来ました。

初めてあやとりをやろうとする人には、紐に親しめるよう、いろいろ工夫しました「お星さま」を完成させた子どもたちは、歓声を挙げて喜んでいました。「屋根」(さかずき)から東京タワーを作るあやとりも人気でした。また、「昔とったあやとりを思い出したい。」と参加する年配の女性もいました。

また、超絶技巧のあやとりに挑戦する少年たちも居て、みんなそれぞれに楽しみました。あやとりは今回特に、男の子が多かったのが印象的でした。

報告:吉田仁子@ISFA & 写真提供:青木幸久