Last updated: 2025/05/24

あやとりトピックス 261-270

港区立伝統文化交流館で昔遊び その5 2025/05/24

港区で行われた「みなとパーク芝浦フェスティバル」の一環として、港区立伝統文化交流館で「昔遊びの会」を開催しました。

「たま川お手玉の会」と国際あやとり協会(日本)の有志が「昔遊びの会」として、お手玉と折り紙とあやとりを教え遊ぶ活動を行いました。

あやとりだけではなく、お手玉や折り紙をすることによって、子どもたちが自ら自由に、遊びを選ぶことができます。

お手玉はその子の発達段階に合わせて、頭にのせておじぎをしたり、放り投げて受け取ったりして遊びました。折り紙は独楽を作りました。

お手玉と折り紙は、あやとりをやりたい子どもの妹弟の受け皿になったり、はしゃぐ子どもたちの居場所になります。そのおかげで私たちはあやとりに集中できるのです。

玉川お手玉の会の皆さんに感謝です。

さて、ここからはあやとりの話に特化したいと思います。

国際あやとり協会(日本)の有志はあやとりで協力しました。

前回に引き続き、会場に青木萬里子先生作のあやとりのタペストリーが飾られ、雰囲気を盛り上げました。(会場には五月人形の兜が2箇所飾られました)

今回は、日本の「ほうき」とシベリアの最東端チュコート半島に住むチュクチの人々の「シベリアの家」のとり方を1枚のチラシにして、持ち帰ることが出来るようにしました。

「ほうき」は、むしろ若いお母さんたちに喜ばれました。ここで「ほうき」を覚えて、抱っこしている子どもにいつか教えたいとおっしゃっていました。

小学年低学年の女の子は、「シベリアの家」に挑戦し、みごととれるようになりました。その後、「テントの幕」にも挑戦し、何度も失敗しながら仕上げたときは、周囲の大人たちも感動をもらいました。

今回、グランドマスター(すべての種目に合格した)を習得した男の子が教え方を学びたいとやってきました。彼は周りの人たちの教え方を見て学んだり、自分も新しい技を教えてもらいながら、自然に教えることを学んでいるようでした。

小さな可愛い娘さんに誘われて、初めてあやとりをするお父さんの微笑ましい姿もありました。

5月ですから、兜ももちろんやってみましたよ。

ここでは書ききれないほど、様々な人間模様が交差した楽しいひとときでした。

また2階では、紙芝居や歌のお姉さんのパフォーマンスがあり、パフォーマンスが始まると、親子は激減、終わると和室がいっぱいになる現象が起きて、それはそれでメリハリがある楽しい時間でした。

このような楽しい場を用意してくださった港区立伝統文化交流館の皆さまに感謝致します。ありがとうございました。

教えた人:伊藤ひで、吉井よし子、青木萬里子、杉林武典、服部知明、吉田仁子、青木幸久(写真担当)

報告:吉田仁子@ISFA & 写真提供:青木幸久

ナウルの「太陽」 2025/05/17

ナウルの「太陽(Ekwan)」というあやとりがあります。

Ekwan I : cited from "The String Figures of Nauru Island"

これと同じできあがりのあやとりは数多くあり、さまざまな方法で作られています。しかし、注意深く観察すると、いくつかは糸のかかり方が異なっているのがわかります。伝承されているあやとりでは、回転や鏡像を同一視したとき、取り方が示されているのは3通りが知られています。代表的なあやとりは以下です。(ここでは取り方の違いは扱いません)

このようなパタンを J. D'Antoni氏は DWD (Double-Walled Diamond) と呼びました(*5)。ほとんどの DWD のあやとりは「ナウルの太陽 Ⅰ」と同じできあがりです。さて、DWD には何通りのパタンがあるのでしょうか。DWD の全パタンを網羅的に分類解析したのは、おそらく D'Antoni氏が最初です(*6)。そこで氏は単純な輪(普通のあやとりで用いる絡みのない輪)から作成でき、できあがりが安定しているパタンは、回転鏡像を同一視して9通りあると結論付けています。しかし、残念ながらそこには回転鏡像で同一なパタンが含まれていることがわかっています。それらを同一視すると5通りとなります。なお、安定したパタンとは、できあがりを手に持ったときに形が崩れず DWD が維持されるものです。

M. Probert氏は、もうひとつ別のパタンがあることを見つけ、総数は 6通りであることを発表しました(*7)。D'Antoni氏は A の糸の配置の組み合わせを検索していたために、B の配置を見逃していたのです。A は安定したパタンにはなりません。

A
B

安定したパタンは、単純な輪では作ることができないものも含めると44通りあります(興味のある方はこちら)。その中で、単純な輪から作ることができるのは 6通りしかありません。以下に 6通りのパタンを示します。「ナウルの太陽 Ⅰ」は #8、「ナウルの太陽 Ⅱ」は #7、「ガイアナの星」は #2 に対応します。 ちなみに、Lutz(*2) に掲載されている「ガイアナの星」は、完成形が実際のできあがりと鏡像です。Roth(*3) に掲載されている完成形は #1 のものになっていて、取り方と一致していません。

#1
#2
#7
#8
#30
#31

#1、#30の取り方はD'Antoni氏が、#31はProbert氏がそれぞれ創作していますので、ここで紹介しておきます(多少アレンジしてあります)。できあがりは上の図と必ずしも一致しませんが、回転鏡像によって同一になります。回転はできあがりを床に置くなどしてひっくり返したりすると得られます。鏡像は左右の手を逆にして取ることで得られます。なお、D'Antoni氏は、自身の方法は洗練されていないので、誰かがより洗練された方法を見つけることを望んでいます。チャレンジしてみてはいかがでしょう。

#1 (*6)

  1. 人差指の構え。
  2. 右小指で右親指向こうの糸を取る。
  3. 右人差指で右小指手前の糸を取り、右小指の糸を外す。
  4. 右人差指上の糸を右小指に移す。
  5. 右親指で右小指手前の糸を取る。
  6. 右人差指で右親指向こうの糸を取り、右親指の糸を外す。
  7. 右人差指上の糸を右親指に移す。
  8. 左人差指の輪を向こうへ1回転ひねる。
  9. 右人差指の糸を外す。
  10. 右人差指で左人差指の輪を上から取り、左人差指の糸を外す。
  11. 右親指で右人差指手前の糸を、右小指で右人差指向こうの糸を取り、右人差指の糸を外す。
  12. 右親指と右小指でナバホ取りする。
  13. 右親指で左親指の輪を上から、右小指で左小指の輪を上からそれぞれ取り、左親指と左小指の糸を外す。
  14. 右手の指先を手前へ向け、左親指で右小指の2本の糸を向こうから(指元から)取り、右小指の糸を外す。
  15. 小指で親指向こう下の糸を取る。
  16. カロリン展開。

#30 (*6)

  1. 人差指の構え。
  2. 右人差指の糸を外す。
  3. 右人差指で右親指向こうの糸を取る。
  4. 右人差指で左掌の糸を取り、ナバホ取りする。
  5. 右人差指の輪を手前へ半回転ひねる。
  6. 右親指を下から右人差指の輪の中に入れ、右小指手前の糸を取り右小指の糸を外す。
  7. 右小指で右人差指の糸の下から右親指向こう上の糸を取り、右親指上の糸を外す。
  8. 右人差指の輪をつまんで外し、右小指の輪の中に上から入れて右人差指にかけ直す。
  9. 右親指の輪をつまんで外し、右人差指の輪の中に上から入れて右親指にかけ直す。
  10. 左人差指の輪を向こうへ半回転ひねる。
  11. 左親指を下から左人差指の輪の中に入れ、左小指手前の糸を取り左小指の糸を外す。
  12. 左小指で左人差指の糸の下から左親指向こう上の糸を取り、左親指上の糸を外す。
  13. 左親指で左人差指手前の糸を取る。
  14. 左中指で左親指向こうの糸を取り、左親指の糸を外す。
  15. 左中指の糸を左親指に移す。
  16. 人差指の糸を外す。
  17. 人差指で親指手前の糸を取り、親指の糸を外す。
  18. 親指で下から小指手前の糸と人差指手前の糸を取り、人差指の糸を外す。
  19. カロリン展開。

#31 (*7)

  1. 人差指の構え。
  2. 人差指の糸を親指に移す。
  3. 右中指を右親指向こう上の糸の下から右親指下の輪の中に上から入れ、右小指の輪の中に上から入れる。
  4. 右人差指で右小指手前の糸を取り、右中指を放す。
  5. 右小指の糸を外す。
  6. 右人差指の糸を右小指に移す。
  7. 人差指で親指手前上の糸を取り、親指上の糸を外す。(両手)
  8. 右親指で右人差指の糸の下から右小指手前の糸と右人差指手前の糸を取り、右親指中の糸をナバホ取りする。
  9. 右人差指の糸を外す。
  10. 右親指上の糸を右人差指に移す。
  11. 右親指を下から右人差指の輪の中に入れ、右小指手前の糸を取り、右小指の糸を外す。
  12. 右小指で右人差指の糸の下から右親指向こう上の糸を取り、右親指上の糸を外す。
  13. 右親指で右人差指手前の糸を取る。
  14. 右中指で右親指向こうの糸を取り、右親指の糸を外す。
  15. 右中指の糸を右親指に移す。
  16. 左親指の糸を左人差指に移す。
  17. 左親指を下から左人差指下の輪の中に入れ、左人差指手前上の糸を取る。
  18. 人差指の糸を外す。
  19. 人差指で親指手前の糸を取り、親指の糸を外す。
  20. 親指で下から小指手前の糸と人差指手前の糸を取り、人差指の糸を外す。
  21. カロリン展開。
(*1) P. Hambruch (1914) "Nauru"
(*2) F. E. Lutz (1912) "String-figures from the Patomana Indians of British Guiana"
(*3) W. E. Roth (1924) "String Figures, Tricks, and Puzzles of the Guiana Indians"
(*4) H. C. Maude (1971) "The String Figures of Nauru Island"
(*5) J. D'Antoni (1994) "Variations on Nauru Island Figures" BISFA 1
(*6) J. D'Antoni (2011) "How Many Double-walled Diamond String Figures Are There?" BISFA 18
(*7) M. Probert (2013) "Double Diamonds, Mirror Images, Optical Illusions, Coloured Loops, Red Setters, and a Moral Ending" BISFA 20
k16@ISFA

2025年春の小規模検定 報告 2025/04/28

2025年の2月、3月、4月の3ヵ月間に計6回の小規模検定を実施致しました。

小規模検定は、オリンピックセンターでのあやとり検定が時間内に終了しきれないと判断した時に、都内在住の方数名にお願いして、日時と場所を変更して受験していただく事に致しました。また検定員の方はオリンピックセンターでの検定は受験できないので、小規模検定であやとりマスターの資格を取得された方も何人かおられました。

場所は東京の世話人宅で、上級指導員の先生に検定をお願して実施致しました。

2月は8日と22日、3月は8日と15日、4月は5日と12日のいづれも土曜日の午後で、第1部は13:00~14:30の間に2~3人、14:30~15:00のテイータイムを挟んで15:00からの第2部は講習も含めると2人位が限度でした。

オリンピックセンターでのあやとり検定は1人が1日に受験できるのは上限10回までとなっていますが、小規模検定では、時間的に余裕があるため、1日に上限を決めていないので、1日に希望すれば何回でも受験できるのが特典になっています。

従って、1日で「あやとり教室指導員」の資格を取得された方や「あやとりマスター」の資格を取得された方が多かったです。

2月8日の第5回小規模検定から順に検定で取られた写真を掲載させていただきます。

第5回小規模検定

おに
塩の家
中級マスター取得
シベリアの家
鳥の巣
2匹の子鹿
マンモス
山間の日の出
上級マスター取得

第6回小規模検定

中級マスター取得
H先生「花かご」指導
花かご
四段ばしご
流れ星
そりを引くトナカイ
初級全て合格です

第7回小規模検定

ライアの花
白鳥
中級マスター取得
テントの幕
そりを引くトナカイ
七つのダイヤ
草ぶきの小屋
初級マスター取得

第8回小規模検定

そりを引くトナカイ
天の川
上級マスター取得
かもめ
つがいのライチョウ
初級マスター取得
ねずみの顔
山の上のお月さん
初級マスター取得
富士にかすみ
七つのダイヤ
小舟~カニ(1)
小舟~カニ(2)

第9回小規模検定

白鳥
小舟~カニ
キツネとクジラ
テリハボクの花
「あやとり教室指導員」資格取得

第10回小規模検定

七夕
流れ星
草ぶきの小屋
全ての級に合格
グランドマスター取得
2匹の子鹿
テリハボクの花
「あやとり教室指導員」資格取得
耳の大きな犬
小舟~カニ
「あやとり教室指導員」資格取得HO君

空手の世界大会に参加したHO君は精神統一するのにあやとりは最適だと話しています。

小規模検定で「あやとり教室指導員」や「あやとりマスター」の資格を取得した方々の今後の活躍に期待しています。 2025年4月末日

報告:野口廣記念あやとり講習会・検定 世話人 野口とも@ISFA & 写真提供:金政奈美、大岩仁実、野口とも@ISFA

ダイヤモンドを1個ずつ増やしたり減らしたりする方法(マヌジエの槍の応用) 2025/04/20

「マヌジエの槍」はナウルの美しいあやとりで、ダイヤモンドが2個ずつ増える繰り返しの操作があります。 ここでは、それを応用した1個ずつダイヤモンドを増やす方法を紹介します。 これを簡単に文章にすると、「マヌジエの槍のとり方をその1、その2に分けて、交互に行うと1個ずつダイヤモンドが増える」と言うことになります。 マヌジエの槍の2個ずつ増える操作を分けたら1個ずつ増やすことができるのですから、その面白さを皆様にも味わって欲しいと思いました。(「マヌジエの槍」の完成形は オセアニアのあやとり 2 の表紙を見てください。取り方はこちら

まず、定型操作を定義しておきます。

マヌジエの槍その1

  1. 右親指と右小指の糸を内側へ一回転ひねる。

マヌジエの槍その2

  1. 右親指で右小指手前の糸を取る。
  2. 右人差指で右親指向こうの糸を取り、右親指の糸を外す。
  3. 右人差指の糸を右親指に移す。
  4. 右小指で右親指向こうの糸を取る。
  5. 右人差指で右小指手前の糸を取り、右小指の糸を外す。
  6. 右人差指の糸を右小指に移す。

カロリン展開へ整える

  1. 人差指で親指手前の糸を取り、親指の糸を外す。
  2. 親指で下から小指手前の糸と人差指手前の糸を取り、人差指の糸を外す。
  3. 人差指で親指向こうの糸を取り、親指でその人差指で取った糸を人差指に押し付けながら掌を向こうへ向けて展開する。

カロリン展開前の状態に戻す

  1. 親指の糸を外す。
  2. 親指で人差指向こうの糸を取り、人差指の糸を外す。

ダイヤを増やす

ダイヤ0個から始めて、1個ずつダイヤを増やしてみましょう。

ダイヤ0個

  1. 人差指の構え。
  2. 小指の糸を外す。
  3. 人差指の糸を小指に移す。
  4. カロリン展開へ整える。— ダイヤのない状態です

ダイヤ1個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。— これでダイヤが1個できました

ダイヤ2個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その2。
  3. カロリン展開へ整える。— これでダイヤが2個できました

ダイヤ3個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。— ダイヤが3個になりました

ダイヤ4個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その2。
  3. カロリン展開へ整える。— ダイヤが4個になりました

ダイヤ5個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。— ダイヤが5個になりました

このように「マヌジエの槍その1」「マヌジエの槍その2」を交互に繰り返すことによって、無限に1個ずつダイヤを増やすことができます。 ここでは「マヌジエの槍その1」から始めましたが、「マヌジエの槍その2」から始めて交互に繰り返しても、同様にダイヤを1個ずつ増やすことができます。 左手で操作すれば、左側にも増やすことができます。

ダイヤを減らす

これを裏返して同じことを繰り返すと、1個ずつダイヤを減らすことができます。 ダイヤ4個の 16まで取ったら次のように取ってみましょう。

ダイヤ3個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. 糸を前後に裏返して持ち替える。(元の親指の輪を小指に、元の小指の輪を親指に)
  3. マヌジエの槍その2。
  4. カロリン展開へ整える。— ダイヤが3個になりました

ダイヤ2個

  1. カロリン展開前の状態に戻す。
  2. マヌジエの槍その1。
  3. カロリン展開へ整える。— ダイヤが2個になりました

以降続けていって、ダイヤが0個になると、繰り返しでまた増やすことができます。

2本の紐で作る

次は2本の紐を親指小指にそれぞれかけた状態から、上記の手順で取ったものです。2色の紐を使うと、交互に色がきれいに出ます。(2本の紐を使うのは長谷川浩氏の発案)

最後に

これからお話することは、あくまで私の憶測に過ぎません。 「マヌジエの槍」はあまりにも素晴らしいので、「マヌジエの槍」自体が後世に残り、あとの、このような細かいことは、忘れ去られたのではないでしょうか。 改めてナウルの人々に感服する次第です。

吉田仁子@ISFA

第35回野口廣記念あやとり講習会・検定報告 2025/04/12

2025年3月29日(土)に東京代々木のオリンピック記念青少年総合センターにて「第35回野口廣記念あやとり講習会・検定」が開催されました。

この日は残念ながら小雨交じりの肌寒い日となりましたが、会場となる3階の教室の大きな窓からは満開の桜が見事でした。

欠席者は1名のみ、今回も全国各地から多くの方がお集り下さり、盛会でした。

講習会は司会者の挨拶の後、各指導員がそれぞれ指導するあやとりの実演を行いました。

初級は5人の先生によって「カニ・納豆・女の子」「菊水」「ぱんぱんほうき」「ふじさん」「1段ばしご、2段ばしご」「3段ばしご」「4段ばしご」「5段ばしご」「6段ばしご」「ねずみの顔」「シベリアの家」「ハワイのさかな」「鳥の巣」などが取り上げられました。

指導員による実演会
初級(菊水)

中級も5人の先生によって「かもめ」「テントの幕」「たくさんの星」「火山」「さんご」「カヌー・たつまき」「2匹の子鹿」「ナバホの蝶」等が取り上げられました。

中級(テントの幕)
中級(2匹の子鹿)

上級は4人の先生によって「白鳥」「三つの星」「つがいのライチョウ」「キツネとクジラ」など最も難しいとされるあやとりが取り上げられました。

上級(つがいのライチョウ)
上級(キツネとクジラ)

指導員の実演会の後、参加者はそれぞれ覚えたいあやとりの先生の所に集まって講習会が始まりました。

講習会風景
初級クラス「カニ・納豆・女の子」
初級クラス「菊水」完成
中級クラス「かもめ」に挑戦
講習会風景2
中級クラス「さんご」
上級クラス「白鳥」指導
上級クラス「三つの星」
上級クラス「キツネとクジラ」
上級クラス「キツネとクジラ」完成

講習会は午後3時までで終了です。

あやとり検定は講習会と同じ会場で午後3:20から開始しました。

中央のAとBの2列が検定席、受験者は受験票に書かれているA又はBに従って、窓際のA席、又は廊下側のB席で名前をよばれるまで待機します。

検定には1日に1人10回までという上限があります。「あやとり教室指導員」の資格を取得するには初級2回(6種)、中級3回(6種)、上級5回(5種)を受験し、計10回で合格すれば取得できます。

資格を取得希望の場合は事前に申請書の提出が必要です。今回は11名の方が「あやとり教室指導員」に応募されました。

全員の写真を掲載することは出来ませんでしたが、大人3人小学生8人でした。

「あやとり教室指導員」の資格取得者1
「あやとり教室指導員」の資格取得者2
「あやとり教室指導員」の資格取得者3
「あやとり教室指導員」の資格取得者4
「あやとり教室指導員」の資格取得者5

第33回あやとり検定から始めて導入されたあやとりマスタースタンプカードの導入により、初級あやとり全種目をマスターしたら「初級あやとりマスター」、中級あやとり全種目をマスターしたら「中級あやとりマスター」、上級あやとり全部をマスターしたら「上級あやとりマスター」の称号と賞状が与えられる事になりました。更にこれら3つの称号をマスターした場合には「あやとり検定グランドマスター」の称号と賞状、それに特製バッジが与えられる事になりました。

今回を含め、これまでの検定で初級あやとりマスターを取得した人は、7人でそのうち小学生は3人です。中級あやとりマスターを取得した人は、8人で小学生は3人です。上級あやとりマスターを取得した人は7人で小学生は3人です。すでに2枚のあやとりマスターの賞状を持っていて、次回はグランドマスターをとりたいと頑張っている人たちも何人かいます。

初級あやとりマスター1
初級あやとりマスター2
初級あやとりマスター3
初級あやとりマスター4
中級あやとりマスター
中級、上級あやとりマスター1
中級、上級あやとりマスター2
中級、上級あやとりマスター3
中級、上級あやとりマスター4

更にあやとりグランドマスターを取得した人は、2年前に取得した服部先生と今回取得した小学生2人で計3人となりました。

あやとり検定グランドマスター取得1
あやとり検定グランドマスターの3名
あやとり検定グランドマスター取得2
満開の桜をバックに 第35回野口廣記念あやとり講習会・検定スタッフ

たった 1 本のひもで育脳、脳活性できるあやとりの楽しさ、奥深さを多くの方が体験されますように。

次の開催は2025年7月26日(土)を予定しています。

5月1日から「第36回野口廣記念あやとり講習会・検定のお知らせ」をホームページに公開。

参加のお申し込みは6月1日~6月30日の間にホームページより申し込む。締切日厳守。

報告:野口廣記念あやとり講習会・検定 世話人 野口とも@ISFA & 写真提供:青木幸久、嶋津香、竹原庸光

港区立伝統文化交流館で昔遊び その4 2025/03/17

港区で行われた「みなとパーク芝浦フェスティバル」の一環として、港区立伝統文化交流館で「昔遊びの会」がありました。

「たま川お手玉の会」では、「昔遊びの会」としてお手玉と折り紙とあやとりをやりました。(折り紙とお手玉も大勢の人でにぎわいましたが、ここではあやとりの報告に留めます。)

国際あやとり協会(日本)の有志はあやとりで協力しました。

日本の伝承あやとり「はたおり」とナバホ(ネイティブ・アメリカン)の伝承あやとり「テントの幕」を教えました。とり方のチラシを作り、帰ってからも楽しめる様にしました。「はたおり」は動きが面白く、楽しんでいました。はじめて「テントの幕」をとった女の子(小学2年生)は、とても嬉しそうでした。

また、当人のあやとりの技量に合わせて、易しいものから、高度なものまで、教えることが出来ました。

初めてあやとりをやろうとする人には、紐に親しめるよう、いろいろ工夫しました「お星さま」を完成させた子どもたちは、歓声を挙げて喜んでいました。「屋根」(さかずき)から東京タワーを作るあやとりも人気でした。また、「昔とったあやとりを思い出したい。」と参加する年配の女性もいました。

また、超絶技巧のあやとりに挑戦する少年たちも居て、みんなそれぞれに楽しみました。あやとりは今回特に、男の子が多かったのが印象的でした。

報告:吉田仁子@ISFA & 写真提供:青木幸久